【コラム】タリバン、メディア、そしてSNS
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.09.02 10:56
湾岸戦争がCNN、アフガニスタン戦争がアルジャジーラ放送に注目を集めさせたならば、20年におよぶアフガニスタン戦争の最後は、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)が飾った。ニュースカメラが捉えられなかった生の場面がリアルタイムで上がってきた。カブール空港から離陸する輸送機の車輪にしがみついて落ちるアフガン人は「惨状」という言葉では足りなかった。子供だけでも生かそうと、鉄条網の向こう側の軍人におくるみごと投げる親たちはどうだっただろうか。米軍撤退直前に170人あまりの命を奪ったテロと、これに対する米国の報復もSNSでろ過することなく中継された。
これが可能だったのは、米軍駐留の20年間に、アフガンが著しい「メディア成長」をしたからだ。先進国の基準にはまるで及ばないものの、アフガンの人口約3900万人中69%が携帯電話を使い、22%はインターネットも使用している。10人に1人以上(440万人)がソーシャルメディアも利用している。テレビにアクセス可能な世帯は60%にのぼる。これを基に、アフガンのCNNとされる24時間ニュースチャンネルのトロニュースが出てきた。カブール陥落直後に、ヒジャブを着用した女性キャスターが、タリバン側の官僚と対面インタビューをする場面は、それ自体がニュースだった。