最近、中国製新型コロナウイルス感染症（新型肺炎）ワクチンの効能に対する疑問が大きくなったことを受け、中国が「世界保健機関（ＷＨＯ）がその安全性と効能を認めた」と反論に出た。

中国外交部によると、汪文斌報道官は２８日の定例会見で「イタリアのマリオ・ドラギ首相が中国ワクチンの効能に公開的に疑問を表明したが、外交部の意見はあるか」という質問にこのように答えた。

ドラギ首相は今月２５日の記者会見で、新型コロナ患者が急増したチリの状況に言及して「中国製新型コロナワクチンであるシノバック（科興）の効果が充分ではないという証拠」と話した。人口の半分以上が２回目の接種まで終えているチリは、全体接種者の７９％がシノバックワクチンを使用した。

これについて汪報道官は「中国はワクチンの安全性と効能を常に重要だと考えている」としながら「世界保健機関（ＷＨＯ）はすでに中国ワクチンを緊急使用承認目録に含めた。これは中国ワクチンの技術力と安全性、効能が十分に立証されたもの」と話した。

続いて「中国ワクチンの安全性と効能を肯定的に評価する国も多い。一部の国家の世論調査では、中国ワクチンに対する現地の人々の信頼が高いということも確認された」と付け加えた。

あわせて「中国のワクチン研究開発企業は法と規定を遵守して新型コロナワクチンの開発に全力を尽くすと同時に、積極的に国際協力に参加している」としながら、今後も開発途上国に引き続きワクチンを供給すると話した。

約７０カ国で使用している中国新型コロナワクチンであるシノファームとシノバックは効能が落ちるという批判を受けている。２３日、ニューヨーク・タイムズ（ＮＹＴ）はチリをはじめモンゴルやバーレーン、セーシェルなどシノファームとシノバックを主に使用した国の新型コロナ感染者が増えていると伝えた。

特にこれらの国は人口の半分以上が２回目の接種まで終えているにもかかわらず、ワクチン接種率が低かった初期よりも感染者数が増えたと指摘した。ＮＹＴはファイザーとモデルナ、アストラゼネカを主に使用した米国・英国・イスラエルの場合は同じような接種率だが、感染者数はこれらの国々よりも相対的に低いと比較することもした。

この日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル（ＷＳＪ）もインドネシアで死亡した２６人の医師のうち少なくとも１０人がシノバックワクチンを打っていたことが確認されたと報じた。

一方、シノファームとシノバックはそれぞれワクチン予防効果を７８％と５１％と発表したが、臨床試験に関連した細部資料を公開しないでいる。