【コラム】水田の代わりに工場に水を引き高速鉄道連結した台湾政府(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.06.15 12:07
昨年4月に新型コロナウイルスのパンデミックが欧州を襲った時、台湾は欧州連合(EU)に700万枚のマスクを送った。しかしドイツ首相室報道官は感謝の言葉に「Taiwan」という呼称すらも使わなかった。そんなドイツ政府が車載用半導体の不足問題が深刻化すると今年1月、台湾政府に対し「丁重に」TSMCに車載用半導体供給を斡旋してほしいと要請した。一方、最近米商務省が連日TSMCに車載用半導体増産を促しているという報道があった。車載用半導体不足を契機に台湾は半導体覇権国として登場し、台湾の半導体委託生産企業のTSMCは一躍世界的注目を浴びている。
世界の半導体覇権は1970年代半ばに宗主国である米国から日本に渡り、日本は1990年代から衰退し2020年には世界上位10大企業から日本企業の名前が消えた。一方米国はシステム半導体の開発に注力し、2020年に世界シェア35.7%で半導体覇権を守っている。それなら何が半導体覇権を決めるのか?
現在世界の半導体産業では3種類の重要な変化が進行している。最初に、米国、中国、欧州、日本などの技術国家主義(テクノナショナリズム)競争だ。2番目に、半導体産業の主導権の標準少品種を大量生産する総合半導体企業(IDM)からスマートフォンをはじめとする電子機器用半導体を設計する企業とシステム半導体設計企業へのシフトだ。その結果これらが要求する多様な種類の非メモリー半導体を生産できる半導体委託製造企業(ファウンドリー)の生産能力が重要になった。3番目、半導体製造技術は60年間半導体産業を率いた「ムーアの法則(半導体の性能が2年ごとに2倍に増加する)」が終わって次世代工法に転換している。