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【時視各角】「本当に素晴らしい国」=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.05.14 14:34
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ばく大な借金自営業者の損失補償問題が勢いよく燃え上がっている。文在寅(ムン・ジェイン)大統領はひとまずこれを無視しているところだ。数日か前の特別演説から抜いてしまった。だが、国会には「銀行借金免除法」が上程されて論争になっている。政府と与党は120兆ウォン(約11兆6400億円)を超える小商工人の貸出元金満期を、すでに2度にわたり、今年9月まで延長した。今までは銀行に圧力をかけていた。今は減免・免除を法制化しようとしている。もちろんできないことはないだろう。「子どものお小遣い」まで用意しようという国だ。10億ウォンの予算で小学生に毎月2万ウォンずつ配分するという。子どもの基本消費権利を保障するということだが、財政自立度がやっと10%余りの区庁だ。基礎年金を受けている65歳以上の高齢者に月10万ウォンの別途「お年寄り功労手当」を追加支給するところもある。京畿道(キョンギド)は「青年面接手当」を30万ウォンに増やした。素晴らしい国だ。コロナ災難の前にできないことなど何があろうか。

たとえそうだとしよう。問題はこれからだ。コロナがおそらく終わる来年には、もっと素晴らしい国が来るようだ。大統領選挙の局面に召喚された「20歳1億ウォン」は「国民1人あたり能力開発費2000万ウォン」、「軍除隊時3000万ウォン」には「毎月30万ウォン住居給与」、「年100万ウォン国民基本所得」は「600万ウォン」に、それぞれすでに追加エンジンを装着した。すなわち、住宅でも資産でも貸出でも、基本シリーズが列をつくることは間違いない。第2、第3の加徳島(カゴド)は各地域にあふれ出るだろう。どうせ自分の懐が痛むわけではない。より無責任な側が勝つ選挙戦だ。

 
言葉だけならお金はかからない。だが、もし実際となれば天文学的な予算を注ぎ込まなければならない。それではそのお金はどこから? もっと大きな借金をしようということだ。その次の対策は? 「大石死せず」(大石にはいろいろなアヤがあり、簡単には死なない)だ。米国を見ろという。もちろん両国は同じ「チョンジョ国」と呼ばれてはいる。米国は援助チョンジョ(天朝)国だ。臣下の国が天子の国を上国として仕えるようだと言って、「米国はチョンジョ(天朝)」と呼んだ。米国国防費が一時チョンジョ(千兆)ウォン近くになったりもした。韓国は借金チョンジョ(千兆)国だ。ツケなら牛を屠って食べる(今が良ければ後のことは考えず何でもする)「大石死せず」精神でここまできた。それでも私たちは米国ではない。そのうえ歴史の本には仮に米国であっても借金の前には商売もないと書いている。

「永遠の帝国」ローマが崩壊した本当の原因は異民族の侵略ではなく、過度な財政支出で経済が不安定になったためだ。皇帝がお金を湯水の如く使い、借金に耐えられなくなると、後でお金をそのまま印刷した。ネロ皇帝は金の成分が全く入っていないメッキ貨幣をばらまいた。巨大インフレーションを巻き起こし、皇帝と国の借金がセルフ免除されたりもした。だが重い病気にかかった帝国は結局がんによってうめき散らすことになった。David Lanzは『The wealth and poverty of nations(国の富と貧困)』で「スペインはお金が多すぎて貧しかった」と書いた。同じことだ。

借金免除の声が出てくるだけの状況ではある。繁華街の明洞(ミョンドン)を歩けば誰でも感じる。それでもそのままなかったことにはできない。コロナと関係のない国の借金なら尚更だ。高校卒業生に世界旅行費を出してやろうと国が借金をしたら、そのお金は誰が返すのか。少なくとも借金を返す人の話を聞くべきではないか。借金免除法ではない。借金をこれ以上増やさない方法が先だ。全世界90カ国を越える国がそのような財政準則を作って施行中だ。われわれも国家財政法改正案には入っている。国会で眠っているのが問題だ。

大統領選挙出征式のような支持集会と出馬宣言が休みなく続いた1週間だった。これ以上遅くなる前に財政準則が出てきてこそ戦うことができる。「どのように生きるかを学ぶためには一生が必要だ」というセネカの話がある。国の経営を学ぼうと寝かしておいたのかもしれないが、今は政権末だ。国を滅ぼす道をすっかり理解してもいいころだ。公の金で世界旅行するのは誰だってうれしい。だが、それは身のほどを知らずだ。数年か前、アルゼンチン大統領がIMF(国際通貨基金)に手を広げて話した言葉だ。「私たちは身の程をわきまえずにいた」。いわんや借金をや。

チェ・サンヨン/論説委員

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    2021.05.14 14:34
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