北米・南米でＫ－ＰＯＰオーディション番組のローンチが相次いでいる。２月ハイブ（旧Ｂｉｇ　Ｈｉｔ）がユニバーサルミュージックグループ（ＵＭＧ）と手を握って来年米国オーディションを通じてグローバルボーイズグループのローンチ計画を発表したことに続き、ＣＪ　ＥＮＭとＳＭエンターテインメントも年内新しいプロジェクトの開始を知らせた。

ＣＪ　ＥＮＭは６日、ワーナーメディアの動画配信サービス（ＯＴＴ）ＨＢＯ　Ｍａｘとメキシコを基盤とする制作会社Ｅｎｄｅｍｏｌ　Ｓｈｉｎｅ　Ｂｏｏｍｄｏｇと手を握って南米でＫ－ＰＯＰのＤＮＡを持つボーイズグループ選抜番組を作ると明らかにした。ＳＭは７日、米国制作会社ＭＧＭテレビとともにハリウッドでボーイズグループＮＣＴの新しいメンバーを発掘する番組を制作すると発表した。ＢＴＳ（防弾少年団）などの活躍で世界音楽市場でＫ－ＰＯＰが急浮上し、海外テレビ局と制作会社でも「ネクストＫ－ＰＯＰスター」の誕生に関心を注ぐことになったわけだ。

Ｋ－ＰＯＰでグローバルオーディションは新しい概念ではない。Ｈ．Ｏ．Ｔ．など第１世代のアイドルから英語など外国語を自由に駆使するメンバーを探すために海外オーディションを進めた。東方神起など第２世代アイドルの海外活動が本格化し、ＥＸＯなど第３世代アイドルは中国など外国人メンバーが多く含まれた。２０１６年ＮＣＴのデビュー当時、イ・スマンＳＭ総括プロデューサーが「第１段階の韓流輸出と第２段階の現地合作を経て、第３段階の現地化に進入した」と発表したように、内需市場だけでは限界があった韓国の企画事務所の立場でＫ－ＰＯＰシステムを現地に移植して新しい市場を創り出すのは長い念願だった。

ＳＭが発表した『ＮＣＴ　ＨＯＬＬＹＷＯＯＤ』このようなプロジェクトの延長線。ソウルを基盤としたＮＣＴ　１２７と青少年チームＮＣＴ　Ｄｒｅａｍ、中国チームＷａｙＶなど様々なユニットが活動中で、インドネシア・ベトナムなどでも準備中だ。『ＮＣＴ　ＨＯＬＬＹＷＯＯＤ』はアジアを脱した初めてのチームであり、現地の大型制作会社ＭＧＭが参加したということから期待が寄せられる。

『Ｔｈｅ　Ｖｏｉｃｅ』などを演出したプロデューサーであり、ＭＧＭの会長を務めるマーク・バーネット氏は「Ｋ－ＰＯＰは音楽のあるジャンル、それ以上の意味を持つ文化的な現象」とし「Ｋ－ＰＯＰを米国に持ってくることができるということに非常に興奮している」と話した。ＳＭ側は「年内にチャンネルの確定と放送が目標」と明らかにした。ハイブはユニバーサル傘下のゲフィン・レコードと合作レーベルを設立し、ロサンゼルスに本社を置いてプロジェクトを進めるという計画だ。ゲフィン・レコードは音楽制作とグローバル流通およびオーディション番組の制作を、ハイブはアーティストの発掘やトレーニング、ファンコンテンツの制作などを引き受ける。先月、ジャスティン・ビーバー、アリアナ・グランデなどが所属したＩＴＨＡＣＡ（イタカ）ホールディングスを買収し、米国音楽産業で存在感もさらに大きくなった。

ＣＪ　ＥＮＭは「未知の世界」とされる南米でオーディションを行うということに期待をかけている。Ｍｎｅｔ『スーパースターＫ』『プロデュース１０１』などヒット番組を中国・日本などアジア国でリメイクしたことはあるが、南米との共同制作は初めてだ。３月発表された国際レコード・ ビデオ製作者連盟（ＩＦＰＩ）のグローバル・ミュージック・リポートによると、昨年南米音楽市場の成長率は１５．９％でアジア（９．５％）、北米（７．４％）よりはるかに高い。

ＣＪ　ＥＮＭ側は「Ｋ－ＰＯＰとＫコンテンツの特性をあわせもつオーディション番組に現地の制作会社とコラボを通じて南米の特性まで表わす計画」と明らかにした。

韓国ジョージメイソン大学のイ・ギュタク教授はガールズグループ　ＮｉｚｉＵとＥＸＰ　Ｅｄｉｔｉｏｎなど韓国人のいないＫ－ＰＯＰアイドルグループに言及した。イ教授は「現地で結成されて活動しても現地グループとして認識されれば大きなメリットがない反面、Ｋ－ＰＯＰグループと認識されれば斬新さで差別化を試みることができる」として「Ｋ－ＰＯＰの文法を借用したグループの結成過程を放送で見せれば、初期段階からファンダムの形成が容易だろう」と話した。

キム・ヨンデ大衆音楽評論家は「『Ｔｈｅ　Ｘ　Ｆａｃｔｏ』を通じて結成された英国ワン・ダイレクションや米国のフィフス・ハーモニーのように、オーディションを通したスターの誕生は欧米でもすでに検証されたモデル」とし「Ｋ－ＰＯＰが世界音楽市場でボイーズバンド、あるいはアイドルというカテゴリーを全部占領した状況で、十分に試みる必要のある挑戦で韓国と米国の利害関係が合致する選択だと考える」と説明した。