【中央時評】北朝鮮非核化状況を読む
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.03.31 15:46
2017年末に、筆者は北朝鮮非核化が1~2年以内に始まる可能性を30%とみていた。何より中国が北朝鮮制裁を厳格に執行していた。米国ドナルド・トランプ大統領は北朝鮮を制裁するとして中国を激しく圧迫し、中国も米中関係を悪化させないようにするためにこれに応じた。当時、中朝関係も最悪だった。金正恩(キム・ジョンウン)執権以降、2017年まで中朝首脳会談は一度も開かれなかった。親中派として知られていた張成沢(チャン・ソンテク)氏を処刑しただけでなく、核と大陸間弾道ミサイル試験で韓半島(朝鮮半島)を危険にさらす正恩氏を習近平国家主席が好む理由は皆無だった。このような理由で2017年下半期には「北朝鮮にネジ一つ持っていけないように中国が阻止している」という言葉まで出てきた。
しかし、2018年下半期、非核化の早期開始の可能性が10%以下に落ちた。2つの失策が決定的な理由だった。まず韓国政府の問題だった。2017年末の強力な制裁を1年以上持続してはじめて非核化ドアを開くことができたが、文在寅(ムン・ジェイン)政府は焦った。2018年初めの平昌(ピョンチャン)オリンピック(五輪)を平和五輪にすると言って金正恩を交渉テーブルにあまりにも早く呼び出しすぎた。さらに、地政学的波及効果を考慮できないまま板門店(パンムンジョム)会談を途方もない国内外イベントにしてしまった。北朝鮮が韓国を超えて米国と近づくことを恐れた中国は機敏に動いた。板門店会談前後で中朝首脳会談が開かれ、習近平は金正恩に制裁緩和と経済支援という大きな贈り物を贈った。貸借対照表上で、中国が負債から資産に変わると北朝鮮は交渉に一層余裕ができた。これが2019年2月ハノイ会談が決裂した根本原因だ。