日本が東京都など首都圏１都３県に発令した新型コロナウイルス感染症（新型肺炎）の対応のための緊急事態を、２１日付けで全面解除する。感染者数は最近再び増加傾向にあるが、緊急事態発令の延長は効果がないとの判断によるものだ。しかし、「このまま解除すれば、第４波が来るだろう」との専門家の警告も出ている。

菅義偉首相は１７日夕方、首相官邸の記者会見で、「首都圏に発令中の緊急事態宣言を２１日付で解除する方針」と述べた。１８日午後に開かれる政府の新型コロナ諮問会議を経て、同日夕方に公式発表する。これはことし１月８日、首都圏から始まり、全国１１都府県に拡大したが、首都圏を中心に２度延長された緊急事態発令は２カ月半ぶりに全面解除されることになった。

１月初めに一日８０００人近く出た日本全国の新型コロナ新規感染者数は、緊急事態期間に着実に減少し、１０００人台まで減った。しかし、３月に入ってからは減少傾向が明確に鈍化し、むしろ微増の様相を見せている。ＮＨＫの集計によると、１７日、日本全域で新たに確認された感染者は１５３５人で、１カ月で最多を記録した。東京でもこの日、４０９人が確認され、２７日ぶりに４００人を超える新規感染者が確認された。

日本政府は、緊急事態を解除しても再拡散防止のための「在宅勤務の拡大、４人以上の集まり自制」などを続けて勧告する方針だ。午後８時までに制限されている飲食店の営業時間も１時間に延長した午後９時に小幅緩和する。しかし、３月下旬から本格的な桜シーズンが始まる上、４月初めには入学式などが予定されており、外出や会議が大きく増えるものと見られる。

３月２５日には、福島から東京オリンピック（五輪）の聖火リレーもスタートする。これにより、日本政府が本格的な五輪準備を前に、雰囲気刷新のために緊急事態を急いで解除するのではという話も出ている。

国際医療福祉大学の松本哲也教授は１７日、テレビ朝日とのインタビューで、「東京で４００人を超える感染者が出たのは、リバウンドがすでに始まっていると判断せざるを得ず、これが第４波の上がりかけになる可能性は十分ある」とし、「今、緊急事態宣言を解除すれば、東京で１０００人ぐらいの感染者数までのリバウンドが起こり得る」と警告した。