【コラム】バイデン氏、老練で複雑な楽観主義者(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.01.29 12:00
毛沢東氏はすでにこの世を去ったが、政治学者は政治リーダーの人柄と個性を推定する分析方法を発展させてきた。米国学者が発展させてきた方法論に従って、筆者とリーダーシップ研究者チョン・ジナ氏はバイデン氏が就任の辞で駆使した文章形式を通じてバイデン氏の人柄と世界観を推定してみた。内容を要約するよりは演説文で駆使された文章形式の分析を通じて、われわれはスピーカーの政治の本質に対する観念、政治の予測可能性と偶然の作用に対する認識、目標を追求する戦略と戦術などを推定することができる。(詳しい方法はhttp://profilerplus.org)
就任の辞の文章形式から分かるバイデン氏の政治観は、現実主義と理想主義どちらか一方にも偏らない中道だった。同時に、彼は妥協の芸術としての政治の可能性を信じる楽観主義者ということが分かった。演説文でバイデン氏は「歴史は理想とみすぼらしい現実の果てしない闘争」と力説したりもした。
中道楽観主義リーダーの共通的特徴として次のいくつかを挙げることができる。第一に、彼らは政治の世界に永遠の葛藤はないと考える。葛藤と対立は人間本性から出るというよりは人間の理解力の不足からくるということだ。したがって、国家間葛藤の爆発は主にリーダーの間の誤解と思い込みに激発されると考える。世界的な影響力をめぐって競争する中国にとっては取りあえず前向きな信号であるわけだ。また、米中葛藤の激化に心配する韓国にも希望の信号とも言える。