【時視各角】金正恩の時間、文在寅の時間
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2021.01.26 10:29
「分離線は簡単に越えることができるものだが、歴史的なこの場にくるまで11年かかった」。2018年4月27日、板門店(パンムンジョム)で文在寅(ムン・ジェイン)大統領と向き合って座った北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の第一声だった。金委員長は「失われた11年」という表現を何度か使いながら「過去にいくら良い合意や文が出てきても、まともに履行できなければ失望を与える」と語った。
金委員長が話した「過去」とは2007年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領と金正日(キム・ジョンイル)総書記の10・4南北首脳会談を意味する。当時の合意文にある約束はほとんど守られなかった。金正恩委員長は「失われた11年」の責任をそれとなく韓国のせいにし、核開発で制裁を自ら招いた責任には触れなかった。実際、10.4合意は発表当時から守られないという予想が多かった。盧武鉉政権の任期がわずか4カ月しか残っていない時点に莫大な予算が必要な事業を総網羅したものだったからだ。