【コラム】執権10年を迎える金正恩委員長…「さらにぞっとする新年になることも」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.12.31 13:23
2021年の新年は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長にとって意味深い年となる。父であり先代首領の金正日(キム・ジョンイル)総書記の死去(2011年12月)で絶対権力を世襲してから10年目という点でだ。5年、10年周期で記念したり意味を付与したりする北朝鮮では特別な年に違いない。野心を抱いて準備した金正恩委員長の新年最初のイベントは1月上旬に予定されている労働党第8回大会だ。一党独裁と首領唯一支配を2本の軸とする党国家の北朝鮮で、党大会は新しいビジョンの提示と闘争路線、実績決算が一つになったイベントだ。ところが党大会を控えた平壌(ピョンヤン)は緊張感に包まれている。執権10年を迎える金正恩体制の悩みを診断し、2021年を眺めてみよう。
まさに「ぞっとする一年」だった。誰かの苦言でなく金正恩委員長本人の評価だ。昨年9月に文在寅(ムン・ジェイン)大統領に送った親書で、金委員長は「ぞっとする今年のこの時間が早く過ぎて、良いことが順に待つ日々が一日も早く近づくことを期待する」と明らかにした。1カ月後の労働党創建75周年演説で見られた金委員長の告白には、さらに切迫感が表れていた。「過酷で長期的な制裁のためにあらゆるものが不足している状況で非常防疫もする必要があり、自然災害も復旧しなければならない難関に直面した国はわが国だけ」と吐露した。内外から迫ってくる三角波であり「パーフェクトストーム」だ。「人民に補償できず面目ない」と告白し、涙を浮かべたのも納得できる。