【時視各角】文大統領の形容矛盾
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.12.10 13:21
形容矛盾の例によく挙げられる「円い四角」は非現実的だ。したがって現実には存在せず、存在してもならない。ところが現実は違う。あちこちに形容矛盾が広がっている。特に権力の周辺によく登場する。形容矛盾というものが、理想に執着したり権力に酔ったりした脳で作られるからだろう。文在寅(ムン・ジェイン)大統領の「我々の総長様」と「検察改革」が良い例だ。「生きた権力捜査=検察改革の障害物」となる形容矛盾だ。こうした権力型の形容矛盾は民主主義の破壊につながるものだが、絶望することではない。権力が変わって国民の抵抗権が発動すれば正すこともできる。本当の問題はさらに破壊的であり取り返しもつかない形容矛盾だ。その一つが「脱原発と炭素中立」だ。
文大統領は10月の国会施政演説で「2050年炭素中立」を電撃的に宣言した。炭素中立(カーボンニュートラル)とは温室効果ガスを排出する分だけ除去し、実質的な二酸化炭素の排出量をゼロにするという意味だ。理想的だが、現実は不可能に近い。建国以降、最大の産業構造改革をしなければいけない。ある専門家は「女性を男性に変えるほどの体質改善」と表現した。