【コラム】金正恩委員長を覚醒させる道
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.09.17 11:53
ワシントンポストのボブ・ウッドワード副編集長の新著『RAGE(怒り)』には、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が韓国を見下げる内容がある。金正恩委員長は昨年8月5日、トランプ米大統領に送った親書で「現在も未来も韓国の軍隊は私の敵にはならない」とし「我々は特別な手段がなくても強い軍隊を持ち、実際、韓国軍は私の軍隊の相手にならない」と主張した。2018年3月には、平壌(ピョンヤン)を訪問した当時のポンペオ米中央情報局(CIA)長官に対し、米国と戦争をする準備ができたという趣旨の発言をしたという。金正恩委員長が韓国軍を軽視する理由は、北朝鮮が核兵器を保有しているからだ。金正恩委員長の考えでは、核兵器を保有する北朝鮮は戦略国家として米国と対等な位置で交渉や戦争ができるが、核兵器がない韓国は将棋の歩兵のように戦略国家の争いで運命が決まるということだ。
金正恩委員長の主張は錯覚だ。韓国は通常戦力で北朝鮮を圧倒する。韓半島(朝鮮半島)上空を監視する烏山(オサン)の空軍作戦司令部中央防空統制所(MCRC)のレーダーを見ると、韓国の上空には多くの戦闘機と旅客機が表示されるが、北朝鮮の上空には飛行機がほとんどない。北朝鮮は航空燃料が不足し、戦闘機パイロットは訓練がほとんどできない。韓国が保有するF35やF15の戦闘機の性能は北朝鮮の主力戦闘機ミグ29を大きく上回る。海軍と陸軍の武器や装備も韓国が優れている。兵力の面では北朝鮮(約128万人)が韓国(約59万人)の倍以上だが、現代戦では軍人数より情報・先端武器が決定的な役割をすることを考慮すると、大きな意味があるとは考えにくい。軍事力を後押しする経済力で韓国は北朝鮮の50倍を超える。