【コラム】安倍政権が残したもの
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.09.01 09:18
安倍晋三首相が最近手にした本は小説『ナポレオン』だったという。日本の西洋歴史小説の権威である佐藤賢一の作品で全3巻だ。第1巻は「台頭編」、第2巻は「野望編」、第3巻は「転落編」だ。安倍氏は2巻まで読んだ。「この後はナポレオンが没落していくだけだから」というのが理由だった(日本経済新聞)。絶対権力の終わりは一つということなのだろうか。波瀾万丈のフランス英雄を選んだことも、全盛期まで読んだことも興味深い。
7年8カ月続いた安倍政権の退陣が含んでいる意味は少なくない。日本で「リーダーシップ超黒字時代」の終わりが始まった。安倍氏の長期執権は日本政治の無気力症が出発点だ。2012年再執権前、安倍氏を含めて首相6人の平均任期は1年だった。参議院の与党少数野党多数、ねじれがその一端を担った。長期執権は「決定できない政治」に対する反動だ。安倍1強体制は自ら大きくなっていった。衆・参議院選挙で6連勝した。これとともに大統領的首相になっていった。内閣に人事局を設置して巨大官僚集団の要人を掌握した。安倍氏は自民党史上最長だっただけではなく、最強の首相だった。