新型コロナウイルス感染症（新型肺炎）感染者が連日数百人となっている中、防疫当局がしばらく感染者がさらに増えるものと見通した。

新型肺炎の拡大傾向が深刻化し、「社会的距離の確保」を最高レベルである第３段階に引き上げるべきだという主張も出ている。防疫当局は引き上げの必要性を毎日検討しているとしつつもまだ慎重な立場だ。

２３日、疾病管理本部中央防疫対策本部によると、この日０時を基準に新規感染者は３９７人で総累積感染者が１万７３９９人に増えた。ここ一週間の間、一日新規感染者が２倍規模に急増した。２１日（３２４人）、２２日（３３２人）に続いて３日連続で３００人台の増加傾向だ。

特に、この日非首都圏感染者も５月初め首都圏を中心にした二次拡大以来初めて１００人台に達した。ソウルサラン（愛）第一教会などを中心に首都圏で広がっていた新型肺炎が８・１５光化門（クァンファムン）集会と外交部・マクドナルド・病院など職場、遊興施設、各種小規模な集いなどを輪に全国的に広がっている。この日昼間１２時を基準にサラン第一教会関連感染者は前日より４５人増えて累積８４１人となった。８・１５光化門集会関連感染者も３２人増えて計１３６人だ。

チョン・ウンギョン疾病管理本部長はこの日午後開かれた定例記者会見で現状況について「今日感染者が４００人に迫ってきた。これを頂点とみていない」として「（感染者が）さらに増加する可能性があると考える」と話した。

チョン本部長は「（経路などを）調べている感染者数の割合（経路が分からない感染者の割合）が２０％に迫る」として「彼らを調査するうちにまた他の大量露出を確認することができる」と話した。また「このように感染者が急増すれば防疫当局の措置だけでは抑制することが難しい」として「人との接触を減らさなければ流行の規模を抑えることが難しい状況であるため、２３日から全国的に施行される第２段階の距離確保をよく守らなければならない」と訴えた。

一部では直ちに第３段階に引き上げるべきだという指摘が出る。チョン本部長は「毎日苦悩しながら中央災害安全対策本部内で（３段階施行）必要性と時期、方法などを引き続き議論して検討していっている」と明らかにした。

しかし、専門家たちは一日新規感染者が４００人に迫り、全国的な大拡大の様相が著しくなっているため、直ちに社会的距離の確保段階を上方修正しなければならないと強調する。嘉泉（カチョン）大学感染内科のオム・ジュンシク教授は「社会的距離の確保の第２段階を維持しながら効果がいつ現れるかを見守るよりは早急に第３段階に引き上げて感染経路が分からない感染を断ち切り第２段階に引き下げたほうが良い」と話した。

高麗（コリョ）大学九老（クロ）病院感染内科のキム・ウジュ教授も「右往左往せずに早急に第３段階に引き上げるべきだ」と指摘した。高麗大医大予防医学科のチェ・ジェウク教授は「ソウルと京畿（キョンギ）地域だけでも第３段階にしたほうが良い」として「人口が密集したソウルと京畿が麻ひ・封鎖される場合、韓国全体が麻ひするので先制的に対応すべきだ」と話した。ソウル市は２４日０時からソウル市全域でマスク着用を義務付けることにした。

こうした中で社会的距離の確保の第２段階施行後初めての日曜日である２３日教会は概して政府の指針通りに「非対面礼拝」方式に従った。だが、全国の一部の小型教会は現場で対面礼拝を強行した。

大型教会であるソウル中区（チュング）の永楽（ヨンラク）教会は週末礼拝が行われるこの日午前１１時ごろ、主な出入り口を全部閉鎖した。ビョン・スンウ牧師のサランハヌン教会もこの日、門を堅く閉めた。１９日「礼拝を止めてはならない」と宗教界所属会員たちにメールを送って論議を呼んだ韓国教会連合側でも対面礼拝はしないという立場を強調した。韓国協会連合関係者はこの日、中央日報とのインタビューで「携帯メールを送った意図は対面礼拝の強行を求めるのではなく、オンラインででも礼拝を止めてはならないという意味だった」と釈明した。

一部の小型教会では礼拝強行の動きも現れた。ソウル中区のトンムン教会は午前１１時から５０人余りがマスクをつけて対面礼拝を強行した。ソウル市は集合禁止命令と告発措置などを検討中だ。

釜山市（プサンシ）はこの日「釜山地域全体教会１７６５カ所を点検した結果、１５．８％に当たる２７９カ所が行政命令を違反して対面礼拝を強行した」と明らかにした。釜山キリスト教総連合会のイム・ヨンムン会長が牧師を務める釜山鎮区（プサンジング）平和教会もこの日、現場礼拝を進めた。イム牧師は「小さい教会で非対面礼拝ができる教会は１０％にも及ばない」として「礼拝というのはわれわれの命のようなものだが、今の行政命令は宗教自由を明示した憲法基本権を侵害する措置」と話した。

忠南（チュンナム）都内の３１１３教会の中で２４．１％に当たる７５１カ所もこの日、対面礼拝を強行した。