「トランプは嘘つき、米朝会談中にポンペオがメモ」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.06.19 09:22
マイク・ポンペオ米国務長官が２０１８年６月１２日、シンガポール米朝首脳会談の１カ月後、ドナルド・トランプ大統領の対北朝鮮外交の成功率を「ゼロ（０）」と酷評したと元ホワイトハウス国家安全保障補佐官のジョン・ボルトン氏が回顧録で暴露した。また、回顧録にはポンペオ長官が米朝首脳会談中にトランプ大統領を嘘つきとけなすメモを渡したという内容も含まれた。回顧録は２３日に発売予定だが、トランプ政権が出版禁止訴訟を起こすと、米主要メディアに５９２ページの分量の本を公開した。
ニューヨークタイムズ（ＮＹＴ）が１７日（現地時間）に公開したボルトン氏の新刊『それが起きた部屋：ホワイトハウス回顧録』によると、ポンペオ長官は２０１８年にシンガポールでトランプ大統領と金正恩（キム・ジョンウン）朝鮮労働党委員長の会談の間にボルトンに「彼（トランプ氏）は嘘つき（Ｈｅ ｉｓ ｓｏ ｆｕｌｌ ｏｆ ｓｈｉｔ）」と書かれたメモをこっそり渡した。また、ボルトン氏は著書の中で、シンガポール会談の１カ月後にポンペオ長官がトランプ大統領の対北朝鮮外交について「成功する確率はゼロ（ｚｅｒｏ ｐｒｏｂａｂｉｌｉｔｙ ｏｆ ｓｕｃｃｅｓｓ）」と一蹴したと伝えた。
ＷＰによると、シンガポール首脳会談当時、金委員長と交流することを決意したトランプ大統領が金委員長に米国の贈り物をしたがり、これは米国の対北朝鮮制裁違反にあたった。ボルトン氏はこの日、ＡＢＣとのインタビューで「昨年６月（３０日）に板門店（パンムンジョム）で行われた金委員長との会談も写真撮影に相当力を入れた」とも述べた。
結局、トランプ大統領のこだわりの通りに贈り物について制裁を免除しなければならなかったとボルトン氏は著書に記した。
シンガポール首脳会談についてもボルトン氏は、トランプ大統領は非核化措置の詳細にほとんど関心がなく、会談をメディアの目を引くメディアイベントとみなしただけと酷評した。「トランプ大統領は私に実質的な内容はない共同声明に署名する準備ができたと言い、記者会見での勝利を宣言した後、街を去った」と述べた。
シンガポールの会談後の数カ月間、トランプはポンペオ長官が歌手のエルトン・ジョン氏が直筆サインした『ロケットマン』のＣＤを金委員長に渡すことに過度に固執し、同年７月にポンペオ長官の平壌（ピョンヤン）訪問時に持って行かせた。「リトルロケットマン」は、当初金委員長を批判するときに書いた言葉だが、後から愛情が込もった言い方だと信じさせようと努力したというのだ。しかし、当時のポンペオ長官と金正恩委員長の会談は不発に終わったが、「トランプは金正恩に実際に会えなかったことを認識できていないかのようにＣＤを渡したか尋ね、ポンペオが渡せなかったため、数カ月の間、ＣＤ伝達が最優先課題となった」とボルトン氏は描写した。
ボルトン氏は１７日、ＡＢＣのインタビューで、金委員長がトランプ大統領と同席者なしに単独会談をしたのは北朝鮮の要請のためだったと明らかにした。金委員長はトランプ大統領と第１・２回首脳会談でそれぞれ単独で会談した。米朝首脳が単独会談で交わした会話は確認されていないが、昨年ハノイ会談の場合、単独会談に続いて同席者が参加した拡大会談で協議が決裂した。当時、拡大会談にはボルトン氏が参加した。
金委員長以外にもロシアと中国の首脳がトランプ大統領と同席者なしに会うことを要求したとし、「敵対国の指導者はトランプが再選の勝利に過度に執着していることを知っていたため、簡単にトランプを利用することができた」とし「トランプ大統領が交渉の達人というのは、ニューヨークの不動産取引程度ならお似合いの言葉」と述べた。
回顧録は、トランプが習近平中国国家主席に自身の再選を助けてほしいと懇願したという内容も含まれている。昨年６月２９日、日本・大阪での主要２０カ国・地域（Ｇ２０）会議当時、米中会談で「トランプ大統領は全く予想外の話題を米大統領選挙に転じ、それとなく中国が経済力で選挙運動に影響を与えることができると示唆し、習主席に『私が必ず勝利できるようにしてほしい』と懇願した」というのだ。当時、習主席が「米中関係は世界で最も重要だが、一部の米国の政治家が中国と新冷戦を促す誤った判断をしている」と切り出した。トランプ大統領はこれに対し「民主党内に中国に対するとてつもない敵対感がある」としつつ、農業州の大豆・小麦などの農産物購入を増やし、大統領選挙の勝利を助けてほしいと懇願したという。
ボルトン氏は「トランプの正確な言葉をそのまま出版したかったが、政府の発刊前の検討手順がそうできなくした」と紹介した。トランプ大統領は「残り３５００億ドルの対中貿易赤字分に関税を課さない代わりに、農産物の購入を増やしてほしい」と繰り返し要求し、結局習主席も貿易交渉再開に合意した。するとトランプ大統領は喜んで「あなたは３００年の歴史の中で最も偉大な指導者」だと言ったが、数分後に「中国史上最も偉大な指導者」と修正したこともあったという。
ボルトン氏はトランプ大統領の知的レベルを批判する内容も本に収めた。ＮＹＴによると、トランプ大統領は核拡散防止条約（ＮＰＴ）が公認した５大核大国の英国が核保有国だということを知らないように見え、「フィンランドがロシアの一部なのかとも質問した」と書いた。ＷＰはトランプ大統領が「ベネズエラに侵攻したらかっこいいだろう」と言い、ベネズエラは実は米国の一部だという言葉も加えたとした。また、アフガニスタンの元大統領と現大統領を区別できないことが何度もあったとも記した。
トランプ大統領はこれについて具体的な内容を否定することはせず、「中国に私より強硬な人は誰もいない」と述べた。また、「これは高度の機密であり、政府が承認していないため彼は法を破った」と非難した。ボルトン氏を「完全に失敗した、だめになった人間（ｗａｓｈｅｄ－ｕｐ ｇｕｙ）」「嘘つき」とも表現した。
米司法省は１７日（現地時間）、ボルトンの回顧録公開中止を求める緊急命令を裁判所に要請した。「ボルトン元補佐官が国家機密を含む回顧録を政府レベルの検討が終了する前に公開した」ということだ。
ボルトン氏は２０１８年４月から昨年９月まで約１年半の間、国家安全保障補佐官を務めた。複数の国際事案をめぐりトランプ大統領と衝突し、更迭された。また、ポンペオ長官との不和も知られており、回顧録の内容がどこまで事実なのか不明な側面がある。昨年の弾劾の局面には議会に証人として出席しなかったが今になって場外暴露だけするという点も批判されている。
ニューヨークタイムズ（ＮＹＴ）が１７日（現地時間）に公開したボルトン氏の新刊『それが起きた部屋：ホワイトハウス回顧録』によると、ポンペオ長官は２０１８年にシンガポールでトランプ大統領と金正恩（キム・ジョンウン）朝鮮労働党委員長の会談の間にボルトンに「彼（トランプ氏）は嘘つき（Ｈｅ ｉｓ ｓｏ ｆｕｌｌ ｏｆ ｓｈｉｔ）」と書かれたメモをこっそり渡した。また、ボルトン氏は著書の中で、シンガポール会談の１カ月後にポンペオ長官がトランプ大統領の対北朝鮮外交について「成功する確率はゼロ（ｚｅｒｏ ｐｒｏｂａｂｉｌｉｔｙ ｏｆ ｓｕｃｃｅｓｓ）」と一蹴したと伝えた。
ＷＰによると、シンガポール首脳会談当時、金委員長と交流することを決意したトランプ大統領が金委員長に米国の贈り物をしたがり、これは米国の対北朝鮮制裁違反にあたった。ボルトン氏はこの日、ＡＢＣとのインタビューで「昨年６月（３０日）に板門店（パンムンジョム）で行われた金委員長との会談も写真撮影に相当力を入れた」とも述べた。
結局、トランプ大統領のこだわりの通りに贈り物について制裁を免除しなければならなかったとボルトン氏は著書に記した。
シンガポール首脳会談についてもボルトン氏は、トランプ大統領は非核化措置の詳細にほとんど関心がなく、会談をメディアの目を引くメディアイベントとみなしただけと酷評した。「トランプ大統領は私に実質的な内容はない共同声明に署名する準備ができたと言い、記者会見での勝利を宣言した後、街を去った」と述べた。
シンガポールの会談後の数カ月間、トランプはポンペオ長官が歌手のエルトン・ジョン氏が直筆サインした『ロケットマン』のＣＤを金委員長に渡すことに過度に固執し、同年７月にポンペオ長官の平壌（ピョンヤン）訪問時に持って行かせた。「リトルロケットマン」は、当初金委員長を批判するときに書いた言葉だが、後から愛情が込もった言い方だと信じさせようと努力したというのだ。しかし、当時のポンペオ長官と金正恩委員長の会談は不発に終わったが、「トランプは金正恩に実際に会えなかったことを認識できていないかのようにＣＤを渡したか尋ね、ポンペオが渡せなかったため、数カ月の間、ＣＤ伝達が最優先課題となった」とボルトン氏は描写した。
ボルトン氏は１７日、ＡＢＣのインタビューで、金委員長がトランプ大統領と同席者なしに単独会談をしたのは北朝鮮の要請のためだったと明らかにした。金委員長はトランプ大統領と第１・２回首脳会談でそれぞれ単独で会談した。米朝首脳が単独会談で交わした会話は確認されていないが、昨年ハノイ会談の場合、単独会談に続いて同席者が参加した拡大会談で協議が決裂した。当時、拡大会談にはボルトン氏が参加した。
金委員長以外にもロシアと中国の首脳がトランプ大統領と同席者なしに会うことを要求したとし、「敵対国の指導者はトランプが再選の勝利に過度に執着していることを知っていたため、簡単にトランプを利用することができた」とし「トランプ大統領が交渉の達人というのは、ニューヨークの不動産取引程度ならお似合いの言葉」と述べた。
回顧録は、トランプが習近平中国国家主席に自身の再選を助けてほしいと懇願したという内容も含まれている。昨年６月２９日、日本・大阪での主要２０カ国・地域（Ｇ２０）会議当時、米中会談で「トランプ大統領は全く予想外の話題を米大統領選挙に転じ、それとなく中国が経済力で選挙運動に影響を与えることができると示唆し、習主席に『私が必ず勝利できるようにしてほしい』と懇願した」というのだ。当時、習主席が「米中関係は世界で最も重要だが、一部の米国の政治家が中国と新冷戦を促す誤った判断をしている」と切り出した。トランプ大統領はこれに対し「民主党内に中国に対するとてつもない敵対感がある」としつつ、農業州の大豆・小麦などの農産物購入を増やし、大統領選挙の勝利を助けてほしいと懇願したという。
ボルトン氏は「トランプの正確な言葉をそのまま出版したかったが、政府の発刊前の検討手順がそうできなくした」と紹介した。トランプ大統領は「残り３５００億ドルの対中貿易赤字分に関税を課さない代わりに、農産物の購入を増やしてほしい」と繰り返し要求し、結局習主席も貿易交渉再開に合意した。するとトランプ大統領は喜んで「あなたは３００年の歴史の中で最も偉大な指導者」だと言ったが、数分後に「中国史上最も偉大な指導者」と修正したこともあったという。
ボルトン氏はトランプ大統領の知的レベルを批判する内容も本に収めた。ＮＹＴによると、トランプ大統領は核拡散防止条約（ＮＰＴ）が公認した５大核大国の英国が核保有国だということを知らないように見え、「フィンランドがロシアの一部なのかとも質問した」と書いた。ＷＰはトランプ大統領が「ベネズエラに侵攻したらかっこいいだろう」と言い、ベネズエラは実は米国の一部だという言葉も加えたとした。また、アフガニスタンの元大統領と現大統領を区別できないことが何度もあったとも記した。
トランプ大統領はこれについて具体的な内容を否定することはせず、「中国に私より強硬な人は誰もいない」と述べた。また、「これは高度の機密であり、政府が承認していないため彼は法を破った」と非難した。ボルトン氏を「完全に失敗した、だめになった人間（ｗａｓｈｅｄ－ｕｐ ｇｕｙ）」「嘘つき」とも表現した。
米司法省は１７日（現地時間）、ボルトンの回顧録公開中止を求める緊急命令を裁判所に要請した。「ボルトン元補佐官が国家機密を含む回顧録を政府レベルの検討が終了する前に公開した」ということだ。
ボルトン氏は２０１８年４月から昨年９月まで約１年半の間、国家安全保障補佐官を務めた。複数の国際事案をめぐりトランプ大統領と衝突し、更迭された。また、ポンペオ長官との不和も知られており、回顧録の内容がどこまで事実なのか不明な側面がある。昨年の弾劾の局面には議会に証人として出席しなかったが今になって場外暴露だけするという点も批判されている。