【コラム】韓国経済の慢性病「労働組合寄り政策」…文大統領が強いのか、市場の力が強いのか(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2020.01.21 11:39
スウェーデン、ノルウェー、デンマークを含むノルディック国家には「ヤンテの法則」というものが伝えられている。利己心を節制し、共同体全体の利益を重視すべきという生活の掟であり、すでに社会学的な用語の一つとして定着している。「自分が他人より賢いと考えるな」「自分が他人より多く知っていると考えるな」「自分がすべてうまくできると考えるな」…。ヤンテの法則は自らを特別な存在だとか優秀だと考えてはいけないという似た内容を10項目で繰り返し強調する。
昨年6月に文在寅(ムン・ジェイン)大統領はスウェーデンを訪問し、首相官邸ではなくストックホルム近隣のサルトシェバーデングランドホテルでステファン・ロベーン首相と首脳会談をした。このホテルは1938年に世界大恐慌の中で「社会的対話」の偉大な模範に挙げられるるサルトシェバーデン協約が締結された歴史的な場所だ。妥協を強調するヤンテの法則を労使が身につけていたため、そのような共生が可能だったのかもしれない。こうした成功ウイルスは近隣諸国にも伝播し、1982年のオランダのワッセナー合意、2003年のドイツのハルツ改革につながった。