【コラム】国論分裂より恐ろしい人口減少=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.12.31 13:36
「共命之鳥」。教授新聞が韓国各地の教授1046人に尋ねて選んだ今年の四字成語だ。文字通り解釈すれば「運命を同じくする鳥」という意味だ。「共命之鳥」は仏教経典『阿弥陀経』に出てくる、2つの頭を持つ鳥の話に由来する。体に良い果物を食べていた片方の頭をねたましく思ったもう片方の頭が毒入りの果物を食べたせいで鳥は死んでしまう。2つに分かれて争う韓国社会に対する残念な気持ちから選んだ四字成語だというのが教授新聞の説明だ。
韓国社会の葛藤と分裂は昨日今日のことではない。韓国だけの問題でもない。さまざまな見解が共存する民主主義国家で、それぞれ違う意見の対立と衝突は避けられない。これによる葛藤を対話と妥協で賢く平和的に解決していくことが成熟した民主主義だ。このためには国家指導者の「統合者」の役割が決定的に重要だ。
「国らしい国」を望む市民的な念願の中で発足した文在寅(ムン・ジェイン)政府は国民統合を重要な価値として前面に掲げた。しかし「チョ・グク事態」を通じて克明に現れたように、文大統領は分かれた民心を慰労して統合するのではなく、分裂と葛藤を助長して拡大させるところを見せた。また、自身を支持する片方の陣営論理と利益だけに忠実なところも見せた。そのせいで一つに集めても足りない国民の力を分散して浪費した。「共命之鳥」はそれに対する失望感の表れであろう。