駐車場で車を後進させる時、通行人に接触事故を起こしそうになった経験がある人は少なくない。突然現れた通行人に後方感知センサーがやや遅れて警告音を出す場合が多いからだ。

現代モービスがこうした問題を解決する技術を公開した。センサー方式を従来の超音波方式から電磁波方式に変えて速やかに物体を感知し、自動車を自動停止させる技術だ。

現代モービスはレーダー技術を活用した「後方緊急自動制動」技術を初めて開発したと１３日、明らかにした。この技術を適用する場合、後方に物体を感知すると、運転者がブレーキを踏まなければ車が自動で急ブレーキをかける。似た技術がすでに適用されているが、現代モービスはさらに敏感なセンサーを開発して装着し、機能を向上させたのが特徴だ。

現代モービスは超短距離レーダー（ＵＳＲＲ）を開発し、後方緊急制動技術に適用した。各センサーは車の後ろのバンパーに３つ設置されているが、車の後面を中心に外側に１３０度まで感知する。

バンパーから物体まで距離が１．２メートルになれば警告音が鳴り、０．１－０．２秒以内に運転者がブレーキを踏まなければ自動停止する。

超短距離レーダーが適用されれば、駐車場で停止している物体や、時速１０－３０キロで動く通行人や物体は正確に感知される。後方衝突警報（ＢＣＷ）とともに作動すれば時速２００キロで動く車両も感知して停止する。

超短距離レーダーは後方５メートルまで感知できる。従来の超音波センサーは後方３メートルまで感知し、性能が１．７倍向上した。センサー感知距離が長ければ、より遠くから来る物体も感知できる。したがって状況を予測して衝突に対応できる。

超音波センサーの技術的限界も克服できる。超音波センサーは空気を媒質とする音波であるため温度、湿度、風の影響を受ける。強風が吹いたり周辺の騒音が激しければセンサー機能は落ちる。

後進事故を防ぐために先進国は後方緊急自動制動技術を安全評価項目に含める傾向にある。欧州は来年から新車安全度評価（Ｅｕｒｏ－ＮＣＡＰ）項目に後方緊急自動制動技術を含めて等級を付与する予定だ。米国は高速道路交通安全局（ＮＨＴＳＡ）を中心に関連技術に対する評価基準を準備している。

現代モービスのチョ・ソンウＡＰＳ設計室長は「評価の過程で超短距離レーダーを装着した後方緊急自動制動の性能の信頼性に対する検証は終えた」とし「今後、国内外の自動車企業と協議して量産車への適用を積極的に提案していきたい」と述べた。