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韓経:円高、米中紛争、対韓報復の逆風…「3大伏兵」にあったアベノミクス

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.08.15 11:33
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2013年以降日本経済を復活させたという評価を受ける「アベノミクス」(安倍首相の経済政策)が最近ふらついている。米中貿易戦争で円高が進み日本経済が打撃を受ける中、韓国に無理に経済報復を加えたことで日本経済沈滞の可能性が高まっているという分析が出ている。

日本銀行(日銀)によると、日本は今年の実質国内総生産(GDP)増加率の目標値を0.7%としている。年初の目標値(0.8%)を先月30日に0.1ポイント下方修正した。この数値も日本民間経済研究所の予測値平均(0.5%)と比較すると楽観的という指摘だ。日本の経済成長率は昨年の0.7%に続き、今年も0%台が確実視されている。

 
安倍首相が執権した2012年末以降、日本の経済成長率は大きく回復した。2013年には2.0%に達した。しかし2年連続で0%台にとどまり、アベノミクスが揺れているという評価だ。アベノミクスの軸となる円安が作動していない。アベノミクス施行で一時は1ドル=125円台まで円安ドル高が進んだが、最近は1ドル=105円台となっている。

この影響で各種経済指標は悪化している。今年上半期の日本の貿易黒字は前年同期比87.4%減の2242億円となった。企業の業績にも赤信号がついた。日本上場企業1243社の今年4-6月期の純利益は前年同期比14%減少し、3期連続の減少となった。さらに安倍首相が韓国に経済戦争を宣言して観光産業が打撃を受けるなど、日本経済の沈滞の溝が深まるという見方が出ている。

◆円高とG2貿易戦争で輸出減少、逆風となる韓日摩擦

「アベノミクスが6年以上にわたり施行される間、日本と中国の国内総生産(GDP)格差は1.38倍から2.47倍に拡大した。日本を代表する東芝、ルネサスエレクトロニクス、ジャパンディスプレイはすべて生存が脅かされるほど衰退した。世界経済で日本の地位が低下したのがアベノミクスの真の姿だ」。

日本の元老経済学者、野口悠紀雄一橋大学名誉教授が最近、経済週刊誌の現代ビジネスに寄稿した。日本の経済専門家は米中貿易紛争と円高の影響でアベノミクスが事実上失敗したという評価を出している。さらに安倍首相が韓日経済戦争を起こし、日本経済にマイナスの影響を及ぼすと診断した。

◆折れた「円安」の矢

安倍首相が2012年末の執権後に施行したアベノミクスは「3本の矢」と呼ばれる▼金融政策▼財政政策▼成長政策--が核心となる。このうち「最初の矢」の金融政策は「大胆な金融政策を通じた量的緩和」が骨子だ。序盤は効果を表した。無制限の量的緩和で2010-12年に1ドル=80-90円だった日本円は2015年には1ドル=125円まで値下がりした。アベノミクスの以前と比べて10-25%ほど円安ドル高となった。円安が長期間続いて輸出競争力を強化した製造業を中心に企業の業績が改善し、これは雇用の拡大につながった。

しかし今年に入ってアベノミクスを支えてきた円安という最も重要な柱に亀裂が生じている。今年5月に1ドル=110円を割り、今月5日には1ドル=105円80銭まで円高ドル安が進んだ。日本円はこの4年間で15%ほど値上がりした。米中貿易戦争が激化したことで安全資産に資金が流れ、円高が避けられなくなったのだ。

◆勢い弱まった日本の輸出

円安基調が突然終わる状況を迎え、日本企業は当惑している。日本円が1円値上がりすれば、トヨタ自動車は年間400億円、日産自動車は110億円、日立製作所は25億円ほど営業利益が減少すると推定されるからだ。

日本経済新聞によると、日本主要上場企業は今年1ドル=109円を想定して経営計画を出した。野村証券は日本円が1ドル=109円から105円に値上がりすれば、日本株式市場上位300社の平均営業利益は1.44%減少すると予想した。

円高はアベノミクス施行で確実な道を歩んできた日本の輸出にも急ブレーキをかけた。今年上半期の日本の輸出は38兆2417億円と、5期ぶりに30兆円台に減少した。輸出依存度が30%前後の日本経済が米中貿易戦争の余波を直接受けた結果だ。

このように輸出が鈍ると貿易黒字も急減した。日本財務省が8日に発表した日本の上半期の貿易黒字は前年同期比87.4%減の2242億円だった。

◆最悪の時期に韓国攻撃で逆風

対外環境が良くない状況で韓国に対する輸出規制を施行したことも、日本経済に対する懸念を強めている。日本の輸出規制で日本経済が逆風を受けるということだ。

素材・部品産業に予想される輸出への支障のほか、韓国内の日本商品不買および日本旅行自制の動きによる打撃も少なくない。日本経済新聞は、昨年、外国人観光客全体の47%にのぼる240万人の韓国人が日本を訪問したが、九州地域への韓国人の訪問が大幅に減少し、地域経済に大きな被害を生じていると報じた。沖縄のあるホテルは10月の韓国人観光客予約件数が前年比90%減少した。現代経済研究院は最近の韓国の観光不買運動の余波で来年の日本経済成長率は0.1%落ち、雇用が9万5785人減少するという分析も出した。

◆アベノミクス

安倍首相が2012年末の執権以降取り組んでいる経済政策。20年間続いた景気沈滞を解消するのが目標だ。金融緩和、拡張財政、規制緩和という、いわゆる「3本の矢」を政策の道具とした。2020年まで名目国内総生産(GDP)600兆円達成、10年間の平均名目成長率3%達成を掲げている。

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