【リセットコリア】輸出制限措置に込められた安倍首相の狙い
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.07.29 09:46
日本政府は輸出制限措置を取りながら1965年の国交正常化から50年以上維持されてきた政経分離の原則を崩した。韓国政府は日本に対して外交交渉の場に戻るべきだと要求し、国民には団結と協力を強調した。国民は日本製品の不買運動と日本旅行の自制に入った。安倍政権が来月「ホワイト国」から韓国を除外する場合、反日主義はさらに激化すると予想される。今回の措置は短期的に韓国経済に大きな被害を与えるだろうが、事態が長期化すればグローバルバリューチェーンと連結している日本経済はもちろん、日本のリーダーシップにもマイナスに作用する。過去に軍事力を動員してアジアを侵略した帝国主義イメージに、経済力を手段として自国の主張を強要する覇権主義のイメージがさらに強まるからだ。
にもかかわらず日本政府が強硬な立場を維持する理由は何か。韓日併合の不法性に基づく韓国最高裁の強制徴用損害賠償判決と三権分立の立場でこれを擁護する文在寅(ムン・ジェイン)政権に対する報復措置であるのは明らかだ。韓国の徴用被害者に賠償する場合、同じ請求が過去の支配地域で相次いで提起され、北朝鮮との国交正常化にも賠償金が増大する可能性が高い。
さらに根本的な理由は、安倍政権が「力による外交」を掲げて米国と強く連携し、日本優位の従来の北東アジア秩序を維持しようとする過程で、韓国政府の対中・対北朝鮮政策に不信感を抱いていることだ。対中政策をめぐる葛藤は2010年代から顕在化した。中国の大国化を日本は脅威と認識して牽制政策を実施するのに対し、韓国は経済成長の機会であり対北朝鮮政策の協力者と判断して便乗政策を実施する。このため韓国の戦略的価値は落ちた。日本の対中政策であるインド太平洋政策で韓国の席は見えなくなった。