韓国の緩い知的財産保護、創業意欲を失わせる(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.03.07 11:36
アップル・グーグル・アマゾン・アリババのような世界的企業が融資を受けるために韓国の銀行に担保を預けるとしたら、いくらくらい認められるだろうか。銀行はまず不動産専門家を派遣し、実態調査を行うだろう。資産とは目に見える有形資産だという固定観念に捕らわれているためだ。しかし、これらの会社が米国・日本のような先進国の銀行に担保を預けるとしたら、特許・デザイン・商標など知的財産の情報から先に把握するだろう。これらの企業の企業価値は有形資産にあるわけではないからだ。特許・デザインなどの無形資産に多くの価値がある。統計によるとグローバル企業の資産のうち無形資産比率は80%に差し迫る。
欧州の地図を見ると特異な点が目に入る。英国という国は地理的に辺境に孤立した島国だ。ところが、産業革命を起こし世界を支配する帝国を建てた。理由は何か。様々な理由があるだろうが、特許保護が最も重要な理由の1つに挙げられる。特許とは新しいアイディアを出した人が一定期間排他的に独占権を行使して事業ができるように保護する制度だ。発明を奨励しようとする意図を持っている。
特許の概念は1474年にイタリア・ヴェネツィアで創案された。ヴェネツィア君主は新しいアイディアを出した人に独占事業権を与えた。すると、新技術を持つ人々がこの都市に集まり事業をやり始めた。自ずとヴェネツィアは最も繁盛する都市国家になった。この制度を受け継いだ国が英国だ。英国は1624年に発明家に独占権を与え始めた。すると多くの人が新しいアイディアはお金につながるということを知るようになった。代表的な例が1769年に蒸気機関の特許を取得したジェームズ・ワットだ。ワットはこの特許のおかげで莫大な富と名誉を得た。欧州の多くの発明家が英国に押し寄せ、英国が産業革命の花を咲かせることになったのは自然な結果だった。