【コラム】ボルトン補佐官の復讐(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2019.03.05 09:38
トランプ大統領は会談決裂直後、「我々が別の核施設を知っていたことに北朝鮮はとても驚いたようだ」と伝えた。ボルトン補佐官は昨日、「寧辺(ヨンビョン)内外の別の核施設、さらに生物・化学兵器などすべての大量破壊兵器(WMD)のリストを取り出した」と具体的に語った。金正恩委員長の面前で嘘を追及したということだ。米国政治の最も古くからの最大の侮辱は「売国奴(betrayer)」と「嘘つき(liar)」だ。「最高尊厳」金正恩委員長の当惑感は想像しがたい。大学生オットー・ワームビアさんの死を後に知ったという金正恩委員長の言葉に北朝鮮を「収容所」「飢餓」として記憶してきたボルトン補佐官の表情はどうだったのだろうか…。
米大統領補佐官と国務長官のそれぞれ異なる役割劇(role play)に対する金正恩委員長の錯視も失敗につながった。シンガポールの過分な接待に続いてニンジンをぶら下げたのは「グッドコップ(good cop)」ポンペオ長官だ。しかし静かにムチを強く握りしめていた「バッドコップ(bad cop)」はボルトン補佐官だった。米中国交正常化をめぐる接触当時にグッドコップだったキッシンジャー補佐官の代わりに、徹底的に疎外されたウィリアム・ロジャース国務長官は中国を非難しながら「歴史のバカ」役を担った。