世界経済は２００８年の金融危機収拾から１０年近く回復傾向を持続してきた。だが最近▼米中通商戦争激化▼米国の金利引き上げ持続▼急激な国際原油価格上昇－－の３大悪材が一気に押し寄せ暗雲が立ち込める様相だ。米中輸出依存度が高い上に原油を全量輸入しなければならない韓国としては文字通り厳しい状況になった。そうでなくても成長率低下で苦しんでいる韓国経済が踏んだり蹴ったりの状況にさらに大きな困難を経験するかも知れないという懸念が大きくなっている。

◇激しくなる米中通商戦争

米トランプ政権は２４日、２０００億ドル（約２２兆７０００億円）規模の中国製輸入品に対する１０％の関税を発効した。中国も同日６００億ドル相当の米国製品に５～１０％の報復関税を課し始めた。よもやと思われた主要２カ国（Ｇ２）間の全面的な「関税戦争」が火蓋を切ることになったのだ。

中国は高官級貿易交渉も拒否した。今月末ころに予想された劉鶴副首相のワシントン訪問を取り消し、米国の一方主義的な貿易形態を批判する白書も発行した。

米国も攻撃の手綱を緩めていない。トランプ大統領は国連総会での演説で「中国の市場歪曲はこれ以上堪えることはできない水準だ」と強く批判した。ブルームバーグはトランプ政権が２７６０億ドル規模の中国製品に３段階で関税を課すためのカウントダウンを始めたと報道した。

米中対立は軍事分野にも移った。米国が２４日に台湾へＦ－１６戦闘機の部品など３億３０００万ドル相当の武器を販売することを決めると、中国外交部の耿爽報道官は「米国は国際法と国際関係の基本準則に違反しており、中国の主権と安保利益を深刻に傷付けた」と猛非難した。米国は今月に入り、ロシアから武器を購入した中国軍部を制裁し、中国は駐中米国大使と武官を呼び強力に抗議した上で米中軍事交流も中断した。定期的に認めてきた米海軍強襲揚陸艦「ワスプ」（排水量２万７０００トン）の香港寄港も拒否した。

米中対立が激しくなり企業が影響を受けている。米マイクロンのサンジェイ・メロートラ最高経営責任者（ＣＥＯ）は２１日、米国の関税賦課により収益性に打撃を受けていると話した。ＢＭＷは貿易対立が需要をゆがめているとして営業利益率を当初目標だった８～１０％より低い７％と予想する。米国とカナダ間の貿易対立も破局に突き進む可能性が大きくなった。米通商代表部（ＵＳＴＲ）のライトハイザー代表は北米自由貿易協定（ＮＡＦＴＡ）交渉について、カナダを除外して進めることもできると話した。


韓経：通商戦争・金利引き上げ・原油価格上昇…「低質体力」韓国は踏んだり蹴ったり（２）