【噴水台】金正恩の涙
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2018.06.01 17:23
「素晴らしい泣き場所だ。ひとしきり泣けそうだ」。燕巌(ヨンアム)朴趾源(パク・ジウォン)が1780年に清へ向かう道で、大きく開けた遼東原野と初めて向き合ったときに発した言葉だ。悲しみからはなく感嘆から泣くことを表現したものだ。「千古の英雄はよく泣く」と言った燕巌の「泣き論」は『熱河日記』に詳しく書かれている。「泣くことは、天地間において雷声霹靂と比べることができる。こみあげて出る感情が理知とぶつかって出てくるのは、笑いとどう違うだろうか」
このため泣くことに対する彼の発想には並ならぬものがあった。「七情」で解釈した。喜怒哀楽愛悪慾のうち、悲しい感情(哀)だけでなく七情すべてが涙を生み出すという。喜びや怒り、楽しみ、愛、憎しみ、欲が極に達したり身にしみたりしても涙が出るということだ。