【中央時評】文大統領の訪中と朴趾源の『熱河日記』(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.12.15 15:55
天下の形勢を見回すという『熱河日記』の「審勢編」で朴趾源は文大統領が熟考するべき忠告を出している。「我が国の人々はほとんど外交的修辞に慣れておらず、ひょっとして難しいことを尋ねるのに汲々としたり、当代のことを生半可に話したり」するが、これは繊細でないことであり、「歴代の歴史事実を取り上げる一方で、最近の事情に対しては責めてはならない」と朴趾源は呼びかける。つまり、朴趾源は文大統領にTHAAD配備をめぐる韓国の国内事情(「当代のこと」)をあえていちいち説明するよりは、むしろ1950年代以降続いてきた韓米同盟の歴史と対北朝鮮挑発抑制の歴史を強調するのがより良いと勧めるわけだ。
また、朴趾源はどの国際政治学教科書でも見出せない鋭い方策を提示する。「謙虚な気持ちで…自ら心を開いて打ち明けるように誘導し、表ではよく分からないように装って彼らの心をもどかしくさせるなら、彼らの眉毛が一度動くだけでも真実と偽りを見抜くことができるだろう。笑いながら話す間にも実情を十分に探知することができる」ということだ。言い換えれば、THAAD関連「3不」や、米国の北朝鮮海上封鎖の動きと国連の対北制裁決議案の関係のような敏感で複雑な問題についてあえて説明をしようとするよりは、むしろ相手のもどかしさを誘発することを求めている。同時に、習主席の表情・視線から、いわゆる「3不」に対する中国の実質的な意志、北朝鮮を見る中国の真心を読むことができるというのが朴趾源の忠告だった。