順調に歩み出した文在寅政権の外交安保
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.05.22 09:49
文在寅(ムン・ジェイン)政権に対する国民の期待が大きい。韓国ギャラップが最近発表した就任2週目の世論調査で、回答者の87%が文大統領は「国政をうまく運営する」という期待を表した。「うまく運営できない」という回答は7%にとどまった。文大統領を支持しなかった有権者の多数も期待を表している。
世論の期待が大きい理由は、何よりも低姿勢で疎通と協力政治に最善を尽くす姿のためと解釈される。国民と向き合い、問題に正面から取り組む点も期待を高める理由と考えられる。内政をうまくしても外交が不安定ならば世論の支持を受けにくい。予想外の速度と重みで展開されている外交安保の動きも期待感を高める要因と分析される。
四面楚歌の外交安保状況は危機という表現では物足りないほど深刻で重層的だ。北朝鮮の核とミサイルの能力は後戻りができないほどのレベルになった。北朝鮮の脅威に対応する高高度防衛ミサイル(THAAD)配備をめぐる葛藤のため、韓中関係は国交正常化以降で最悪の状況だ。「米国優先主義(America First)」を前に出すトランプ政権の発足後、韓米関係にも摩擦音が聞こえる。THAAD費用問題のほか、韓米自由貿易協定(FTA)再交渉問題までが浮上した。慰安婦合意をめぐる日本との葛藤は爆発寸前だ。最悪の条件でスタートする文在寅政権の外交安保力に対しては期待より不安が大きかったのが事実だ。