【コラム】新大統領も朴正熙のように恥辱を受けるのか=韓国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2017.04.10 16:26
やはりキッシンジャーだった。トランプと習近平の首脳会談は、93歳のキッシンジャーの水面下の仲裁で実現した。1971年7月9日に秘密裏に周恩来に会って米中国交正常化のきっかけを作り、米中関係が険悪になるとトランプのメッセンジャーとして習近平に会った。46年前にキッシンジャーに米中和解の前哨作業を指示した人物はニクソンだ。李承晩(イ・スンマン)、朴正熙(パク・ジョンヒ)大統領を相手にし、朴正熙に屈辱を与えた人物だ。
アイゼンハワー政権の副大統領ニクソンは54年7月26日、ワシントン空港に到着した李承晩夫妻を出迎えた。21発の礼砲がポトマック川の向こうまで響いた。米国の援助に依存する弱小国の指導者だったが、李承晩は演説で「米国がおじけづいて韓半島(朝鮮半島)統一の道はふさがったが、全知全能の神は我々の計画を必ず実現させるだろう」と声を高めた。
李承晩一行がホワイトハウスに到着すると、アイゼンハワーは玄関の階段から下りてきて李承晩を出迎え、階段を上がって自分の妻に案内した。盛大な夕食会が続いた。わずか1年前の53年6月18日、李承晩は反共捕虜2万6000人を米国との相談なく解放した。韓国から手を引こうとする米国を韓米相互防衛条約締結で縛っておくための圧力カードだった。怒ったアイゼンハワーは一時、李承晩を除去する計画を立てたりもしたが、卓越した見識と愛国心を無視できず礼節を守ったのだ。ニクソンは回顧録で「共産主義者を扱ううえで李承晩より卓越した人物を見たことはなかった」と評価した。