浮石寺観音菩薩像、略奪されたとしても別の「略奪」で返してもらうのが正当なのか(3)
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2017.02.14 10:31
◆外圭章閣(ウェキュジャンガク)図書返還の事例とは違う
韓国内の世論は1審判決を歓迎する雰囲気だ。拘束されて裁判を受けている窃盗犯でさえ「われわれは愛国者」と叫びながら国民参加の裁判まで申請しようとしたほどだ。だが、具体的な証拠もなく、目の前の国民感情と世論に依存してこの問題を解決するのは危険だ。何より、今回のことを通じて、日本をはじめ海外に持ち出された文化財を返還してほしいとする韓国側の正当な要求が激しい非難に遭ったり、このような努力にややもすると冷水を浴びせたりする逆効果を生む可能性があるとの懸念が出ている。日本へ渡った韓国文化財は数十万点に達するだろうという推算だ。このうち大部分が壬辰倭乱や日帝強占期に略奪されたものだ。
今回の判決は、丙寅洋擾当時、フランス軍隊が略奪した外圭章閣図書の返還や伊藤博文が大量に持ち出した日本宮内庁所蔵の韓国図書の返還、そして日露戦争時に日本に流出して靖国神社から後に戻ってきた北関大捷碑の返還事例とは異なる。これはその流出過程が不法だったことが明らかで、その後の難しい外交交渉を経て両国間の合意の上で戻ってきたものだ。これに対し、浮石寺の菩薩像還収判決は盗難を通じて持ち込まれた前代未聞の「不法奪還」を裁判所が合法化したという点から、また別の論争の的になりえる。