【写真】安重根と11人の「断指同盟碑」の前に立つ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.08.26 13:17
『オデュッセイア』はイタケーの王オデュッセウスが木馬を考案してトロイを滅亡させた後、自身の王国に帰還する道のりで体験した冒険談、特に奇異ながらも面白い航海日誌だ。ホメーロスは荒くて無礼な求婚者達から妻ペネロぺーと息子テーレマコスを救って王国を取り戻したオデュッセウスが故郷に安住させ、『オデュッセイア』を「帰還の歌」で終わらせている。
ところが、現代ギリシャ小説家のニコス・カザンザキスはホメーロスよりさらに長いオデュッセイアにして「旅立ちの歌」を付け加えた。
妻は帰ってきた夫を煩わしがり、息子は早く王冠を受け継ぐため、そんな母親と父親の暗殺を謀るようになり、それでなくとも退屈で無味な日常の繰り返しを耐えられないと思っていたオデッセウスは再び友人を集めて航海に出る。そして数年が過ぎた後、疲れて帰り浜辺の老人にパンを求め自慢気に「帰還の歌」の冒頭を始める。だが、まちがいなく彼の民だったその老人は以前とは違いその歌を聞くことを拒む。