【時視各角】韓国の消費者はなぜ差別を受けるのか(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.07.06 08:56
フォルクスワーゲンは「韓国は米国と違って賠償できない」として耐え抜く。国内消費者がいくら抗議して集団訴訟をすると圧迫しても、企業は知らないそぶりだ。耐え抜くことが利益だということを彼らも知っているからだ。実際に韓国政府には消費者保護の概念があるのか疑わしい。自動車関連部署を相手にディーゼルゲート関連の取材をするとこのような答えを聞くことになる。「自動車の運行関連は私たちの所管ではない」(産業資源部)、「排出ガスは私たちの所管ではない」(国土交通部)、「フォルクスワーゲンのリコール計画書を差し戻したがまだ出てこない」(環境部)。
法や判決も消費者保護には狭量だ。ささいな消費者保護は消費者保護院で行うが、消費者が命を落とした加湿器殺菌剤のように致命的なメーカー・消費者問題は民事訴訟で解決しろと先送りする。裁判所に行っても被害立証責任は被害者にあり、企業相手の訴訟は和解や敗訴で終わるのが常だ。被害告発も容易ではない。加湿器殺菌剤の被害に検察が視線を転じるようにするだけで被害者が5年以上も粘り強く訴え、放送局が何回も調査報道をしなければならなかった。
立法府も同じだ。加湿器殺菌剤事件以降、深刻な被害を誘発した企業責任を強く問う「被害救済特別法」や「懲罰的な損害賠償制」などを導入すべきだという声が高まったが、立法府は耳をふさいでいる。企業は規制のために韓国で事業するのが難しいとわめくが、実は韓国政府が力を合わせて消費者保護に知らない振りで一貫している間に、相当数の企業が消費者をだまして無視しながら成長した。