【取材日記】崖っぷちのSTX造船海洋、カギは裁判所に=韓国
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2016.06.03 16:25
「IMF(通貨危機)当時もこれほど厳しくはなかった。会社に競争力があってこそ1隻でも受注できるが」。
2日、慶尚南道昌原市(チャンウォンシ)STX造船海洋鎮海(チンヘ)鎮海造船所。現場にいたAさんは複雑な表情で99万平方メートル(30万坪)の造船所を見渡した。Aさんは大東造船(STX造船海洋の前身)時代からここで20年間勤務している。Aさんの前には造船所の象徴である1500トンの巨大クレーンがそびえていた。その下では黄色いヘルメットをかぶった作業員が行き来していている。隣の工場からは大きな金属音が響いていた。作業員の表情は暗かった。STX職員は「来年からが問題」と口をそろえた。昨年末基準で同社の受注残高は55隻。今年は1隻も受注していない。崖っぷちに立つ職員の視線はこの日、ソウルから来た金正晩(キム・ジョンマン)ソウル中央地裁破産3部裁判長ら判事3人に向かった。