「孫興民（ソン・フンミン）はトッテナムの新しい英雄になるだろう」。

トッテナムのマウリシオ・ポチェッティーノ監督（４３）の言葉だ。孫興民（２３、トッテナム）がデビュー後３試合に出場し、最近の２試合で３得点すると、周囲の目が変わった。英国メディアは２０日、イングランドプレミアリーグのクリスタル・パレス戦でリーグデビューゴールを決めた孫興民の活躍を特筆大書した。「孫が光った（Ｓｏｎ　ｓｈｉｎｅｓ）」「スーパー孫デー（Ｓｕｐｅｒ　Ｓｏｎ－ｄａｙ）などのヘッドラインが登場した。デイリーメールは「終了ホイッスルが鳴ると、トッテナムファンが一斉に『Ｇｏ　ｏｎ　ｍｙ　Ｓｏｎ』と叫んだ」と伝えた。

孫興民はわずか３試合でトッテナムのチームカラーを変え、得点力不足を解決した。果敢に突破する能力を見せ、チームに活力を与えた。

クリスタル・パレス戦で孫興民は３回、単独ドリブルを見せた。両チーム合わせて最も多かった。前半３１分、センターサークルでボールを持った孫興民は４０メートルほど一人でドリブルした。５秒ほどの短い時間に相手陣営を揺さぶった。後半２３分にはＤＦ３人にマークされながら左サイドを２０メートルほど疾走した後、そのまま左足でシュートを放ち、決勝ゴールを決めた。

孫興民はスペースさえあればどの位置からでも攻撃を仕掛ける。サッカー統計サイト「フースコアドットコム」が選手の活動量を調査したヒートマップ（ｈｅａｔｍａｐ）で、孫興民は相手陣営の中央だけでなくサイドを活用したのが目を引いた。活動領域が中央に集中していたリーグデビュー戦のサンダーランド戦とははっきりと違った。

孫興民は２年前までトッテナムに所属していたガレス・ベイル（２６、レアル マドリード）を連想させた。２００７年からトッテナムでプレーしたベイルは攻撃的な才能を認められ、２０１０年にウィングに転向して成功した。１００メートルを１１秒４で走る俊足と果敢な突破でファンの人気を集めた。トッテナムでの６年間、１４６試合に出場して４２得点したベイルは２０１３年９月、歴代サッカー選手最高の移籍料（約１６０億円）でレアル・マドリード（スペイン）に移籍した。

孫興民もベイルに劣らない。ドリブルをしてもスピードが落ちない。小学生の頃からドリブルを磨いた結果だ。ドイツでも孫興民のドリブル能力は認められた。昨年４月、孫興民が独ブンデスリーガのニュルンベルク戦で７０メートルを単独突破してアシストをマークすると、レバークーゼンのスポーツディレクター、ルディ・フェラー氏は「あたかもベイルを見ているようだ」と絶賛した。チャン・ジヒョンＳＢＳ（ソウル放送）スポーツ解説委員は「ハリー・ケイン、クリスティアン・エリクセンなどチームメートの活動量が多いだけに、孫興民の攻撃チャンスも増えるだろう」と話した。