【グローバルアイ】「最後の一葉」と冨田尚弥氏
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2014.11.18 08:51
東京の街路樹が、抱えていた赤いものを最後の1枚まで吐き出している。葉を落とした木は、やせこけた両腕を広げたまま待ちぼうけを食らっている。窓の外のツタを見ながら運命を直感した女流画家ジョンジー。彼女が肺炎にかかって病床に伏したのも、冷たい風が吹いていた11月のこの時期であった。オー・ヘンリーの小説『最後の一葉』で、無名の老いた画家は1枚残った葉が落ちれば死ぬと信じていたジョンジーのためにトリックを使う。雨が勢いよく降った日の夜、暴風雨にもびくともしない暗緑色のツタの葉っぱを、壁にこっそりと描く。消え行く生命の火種を生き返らせて、自分自身は肺炎にかかって亡くなる。
「あなたはしばしば嘘をつきますか?」。予期せぬ質問を受けると頭が混乱する。『最後の一葉』を思い出して「嘘やトリックは全て悪いこと」だという固定観念から少し自由になる。「はい」と答えることが「いいえ」と言うよりも良心的なのかもしれないという思いになる。日本の内閣府が昨年、13~29歳の日本と外国の若者たちを相手に意識調査をした。「しばしば嘘をつきますか?」と尋ねると日本人の28.9%が「はい」と答えた。英国の27.6%、韓国27.2%、米国23.3%の順で「はい」という回答が出てきた。「日本人は嘘が上手だ」と単純に一般化することにはならない。詐欺・横領・背任のような嘘関連の犯罪発生率は日本が相対的に低い。ただし嘘に比較的寛容な日本人の特性があらわれたという分析が多い。