アフリカから来た歌手が歌を歌うかと思えば、そのそばでは韓国人がチャングをたたきテグムを吹く。琴など伝統国楽器とピアノ・サクソフォンなど西洋の楽器を混合演奏するジャズミュージシャンが登場する。２９・３０日に光州（クァンジュ）広域市の錦南路（クムナムノ）にある「国立アジア文化の殿堂（以下、文化の殿堂）」で開かれる「２０１４光州ワールドミュージックフェスティバル」からだ。文化体育部は１０月に文化の伝統竣工を前にこうした行事を準備した。行事のコンセプトは文化の殿堂を国際文化の中心地に育てるという意味で「東洋・西洋の音楽の融合」に決めた。

主なプログラムは、アジアとアフリカの伝統歌・楽器が１つのステージで交わる「韓国-アフリカ・コラボレーション（共演）」だ。南アフリカ共和国の歌手Ｂｏｎｇｅｚｉｗｅ　Ｍａｂａｎｄｌａが歌を歌い、モザンビークのＭａｔｃｈｕｍｅ　Ｚａｎｇｏは太鼓の形をした楽器ティンビラを演奏する。また韓国の伝統打楽器の演奏者チャン・ジェヒョはチャングをたたき、イ・アラムはテグムを演奏する。

「モザイクコリア」チームも舞台に上がる。韓国の２０～３０代のミュージシャン１７人で結成された。コムンゴ（韓国の琴）・テグム・チャング・牙箏（アジェン）などの伝統国楽器やピアノ・サクソフォン・エレキギター・ドラムなど西洋楽器が１カ所で演奏する。ユネスコが世界無形遺産に指定した宗廟祭礼楽などを披露する。フェスティバルには韓国・フランス・ノルウェー・インド・米国など９カ国から招待された８０人余りの音楽家が公演する。

ミュージックフェスティバルのケ・ミョングク音楽助監督は「文化の伝統建設の趣旨にふさわしく東・西洋の疎通、伝統・現代の融合など現代芸術のトレンドを見せるのが目標」と話した。

文化の殿堂は錦南路の旧全羅南道庁の場につくっている。故・盧武鉉（ノ・ムヒョン）大統領が光州をアジアの文化中心都市にすると公約して政府主導で建設が推進された。２００５年に全羅南道庁が務安（ムアン）に移転した直後に着工された。事業費６８００億ウォン余りは全額国費だ。規模と施設面で国内最高水準だ。敷地１６万１２３８平方メートルは国立中央博物館よりも広い。現在の工程率は９６％程度で正式な開館時期は来年９月だ。

複合文化施設である文化の殿堂には民主平和交流院、文化創造院、アジア芸術劇場、アジア文化情報院、子供文化院など５つの大きな建物が入る。アジア各国の神話・説話などについての膨大な資料（映像・記録物など）を集めておく「ライブラリーパーク」もある。２０００席の芸術劇場大劇場は舞台・客席が動かせるようにした。舞台を中央に移せばマダンノリ（広場遊び）公演も可能だ。

全体空間の設計も独特だ。公演会場・展示場などの内部施設は全て地下（１～４階）に設置した。パリのルーブル博物館と似たような構造だ。建物の地上部分は公園や広場にした。文化の殿堂の敷地中心には霧の噴水台を備えた広場（１万平方メートル）がある。

文化の殿堂側は歌・踊り・演劇・美術などが結合した新しい様式の芸術も開発することにした。兵営体験をテーマに東アジアと米国との関係などを扱った演劇などだ。貧しいアジアの芸術家に創作費などを付与する開発援助プログラムも進める。

キム・ソンイルアジア文化中心都市推進団長は「咸平（ハムピョン）蝶々祭りなど周辺の観光資源と連係した多様な文化芸術プログラムを開発して国際的な創作・観光名所にしたい」と話した。