きのうは金日成（キム・イルソン）誕生１０２周年だ。金氏の世襲王朝は決定的な瞬間に近付いているようだ。変わるのか滅びるのかということだ。１９９３年の核開発宣言以来２０年余りにわたり北朝鮮政権は自分たちが変わるかのようにだましてきた。ところがいまでは通じなくなっている。彼らが最も恐れる２人、韓国と米国の大統領が彼らの下心をわかっているためだ。

朴槿恵（パク・クネ）大統領はまず韓半島信頼プロセスとドレスデン構想のような対北朝鮮支援提案を出した。だが、これは可能性がほとんどないことを彼もわかるだろう。大統領の本当の関心は他の所にある。

それは憲法が規定した「平和的吸収統一」だ。憲法第４条は「自由民主的基本秩序に立脚した平和的統一」を定めている。「自由民主国家」は韓国だ。このため統一は韓国が北朝鮮を吸収することだ。

米国の指導部でも重要な変化がある。１３年前には米国の大統領が北朝鮮を「悪の枢軸」に入れた。今度は国務長官が「悪の土地」と糾弾した。さらに意味があるのは対北朝鮮交渉派の中でもこうした認識が大きくなっていることだ。

アーミテージ氏はジョージ・Ｗ・ブッシュ政権で国務副長官だった。彼は強硬派と対抗した代表的な穏健派だった。そんな彼も張成沢（チャン・ソンテク）処刑を見て考えを変えた。昨年１２月のインタビューでこのように話した。

「私は以前から北朝鮮に対しては“政権交替”でなく“変化した政権”が答えだと主張してきた。金氏政権を変えるのではなく、外交的手段を通じて態度変化を引き出さなければならないという立場だった。だが、もうこれ以上はない。北朝鮮問題が解決するためには内部反乱でも外部介入でもどんな方式を通じてでも政権交替がなされなければならない」。

韓米の指導部が過去のように北朝鮮政権にだまされることはないだろう。両指導部の立場は明らかだ。「一部接触はするが、昔のように粗っぽい６カ国協議やばらまきはない。一定のラインの外側から金正恩（キム・ジョンウン）政権を見守る。変われば幸いで、変わらなければ待つ。急変事態で政権が崩れれば新政権と未来を交渉する」。

進歩・左派はこうした原則論を攻撃する。代表的な人物が大統領候補にもなった文在寅（ムン・ジェイン）議員だ。著書『１２１９、終わりが始まりだ』でこのように書いた。「保守陣営や守旧勢力の対北朝鮮観は北朝鮮を崩壊させ吸収統一しなければならないというものだ。しかし北朝鮮崩壊と吸収統一は現実的に可能ではない。現在のように北朝鮮が中国に依存している状況では、たとえ北朝鮮に急変事態が起きても吸収統一にはつながりにくい」。

文議員は政権崩壊と国家崩壊を混同している。独裁政権が別の政権に変わることと国自体が崩れるのは異なる。これは歴史的に事例が多い。


【中央時評】政権崩壊と国家崩壊춂違う＝韓国（２）