【コラム】韓国型誇示生活
ⓒ韓国経済新聞/中央日報日本語版2012.09.19 16:06
私は金基徳(キム・ギドク)監督を以前から尊敬してきた。 誰が何と言おうと彼の映画が好きだったし、お金よりも信念を追う生き方も感動的だ。 自分で家を建て、菜園を便所に使う無公害生活に特に敬意を抱く。 美しく染まった茶色い服と染めていない髪、古い靴を履いて映画祭に登場した姿は、あまりにも堂々としてかっこよかった。 かなり高くついたという後日談はあるが、有害な廃棄物を出さない服装は、立派なレッドカーペットファッションとして遜色がなかった。
インタビューで「本は読まない」と話していただけに、湖畔に小屋を建てて『ウォールデン-森の生活』を書いたヘンリー・ソローや、搭を一つ一つ手で積み上げながら電気もなく隠遁した分析心理学者カール・ユングを真似たわけではないのだろう。 実際、自然を征服の対象と考えた近代の西洋とは違い、老荘と儒教的清貧の伝統で自然を傷づけないようにした伝統を、最近の私たちはあまりにも忘れてしまっているようだ。 素朴さを過度に強調した朝鮮時代と貧しかった近代に対する反動だろうか。 21世紀の韓国人は宗教の代わりに、いつのまにか華麗な生活を崇めるようになった。