【中央時評】李大統領の崩壊した外交(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.08.27 11:13
ソウルを訪問中だった北朝鮮代表が筆者に会おうと連絡してきたのは、大統領選挙が目の前に迫った07年12月1日だった。2時間近く続いた対談で彼が心配していたのは、「誰が大統領になる可能性が高く、対北朝鮮政策はどうなるのか」だった。筆者は「李明博(イ・ミョンバク)候補の当選の可能性が最も高い」とし「企業CEO出身の政治家であるだけに、実用主義路線を歩むだろうが、北側の出方にかかっている」と答えた。特に、過去のように業務引継ぎ期間や政権発足初期に対南誹謗ばかりするのではなく、対話チャンネルを模索してみるべきだとも伝えた。
政権発足後、李明博政権の対北朝鮮政策は硬直した原則と「北朝鮮崩壊」に対する根拠のない期待がすべてだった。南北関係は悪化の一途だった。09年8月の金大中(キム・デジュン)大統領葬儀弔問使節団の一員としてまたソウルを訪ねた北側の要人は、筆者にそれとなく不平を述べた。「文先生の言葉は違いましたね。実用主義はありません」。筆者の予測が大きく外れた最初の例だった。政権発足直後の08年5月、李大統領は中国を訪問し、「戦略的協力パートナー関係」に合意した。韓中関係を格上げする驚くべき外交的業績だった。これを契機に筆者は両国関係の未来を非常に楽観したが、それも予測外れと判明するのに長い時間はかからなかった。両国指導者間の共感は北朝鮮の急変事態を議論するほど緊密だという青瓦台(チョンワデ、大統領府)の説明にもかかわらず、現実は正反対に展開したからだ。