【コラム】韓国経済が差し掛かった未知の道(2)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.07.25 11:46
今年上半期の成長率が3%に満たないことが明らかになると韓国銀行は急きょ基準金利を引き下げ、政府はあたふたと大統領主催で内需振興に向けた討論を開いた。どうにか景気を生き返らせようという緊迫感といらだちがうかがえる。しかし診断が正確でこそ正しい処方が出てくる。万一昨今の景気不振が一時的な現象でなく構造的な低成長局面であるなら韓国銀行と韓国政府の短期対症療法は間違っている。どうせ相当期間の低成長が避けられないならば短期的な浮揚策よりは長期的な体質改善がさらに必要なためだ。低成長を前提に経済運用の枠組みを新しく立てなければならない。財政管理方式も変わらなければならない。景気浮揚のための追加補正予算編成よりは中長期的に財政の体力を補強するために均衡財政を指向する方が望ましい。内需振興も人為的に金融を緩めて消費をうながすより規制緩和を通じて高付加価値型サービス業を育成する根本的な対策が必要だ。任期末に力が抜けた政府が何の根本対策かということもできる。しかしすでに壊れるだけ壊れ再任に対する期待もない単任大統領の任期末政権なのでこれ以上顔色をうかがう必要もなく心おきなくできないだろうか。目の前の人気に迎合しないで韓国経済の将来のために苦い薬を処方してはどうか。
大統領選挙の希望に膨らみ連日バラ色の公約を吐き出す与野党の大統領候補も考えを変えなければならないかも知れない。誰が大統領に選ばれても来年2月に李明博(イ・ミョンバク)政権から譲り受ける韓国経済の色は灰色一色である公算が大きい。低成長基調が固まった韓国経済は華麗な福祉公約を後押しする余力が不足し、雇用を創出するという確約も見る影もないだろう。財閥を壊して経済民主化を成し遂げるという豪語も薄くなった財布にひもじい庶民の不満をなだめることはできないだろう。すでに低成長の足かせにはまりさ迷う新しい大統領の涙ぐましい苦闘が目に見えるようだ。何の苦痛なく韓国経済を成長の軌道に再び乗せる超能力のメシアはいない。