【コラム】自国の魅力を見違える大韓民国(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.06.08 11:04
企業や国の力は平常時より危機が迫った場合によく表れる。自分の力を過大評価したり過小評価するリーダーシップは、危機を乗り越えるうえで大きな力を発揮できない。過大評価型リーダーシップは状況を根拠なく楽観する傾向があり、適時に危機に対処できない。過小評価型は組織と国の強みに対する確信が不足し、危機を新たな飛躍に転換させる動力を作り出せず、次の段階のビジョンを提示できないという点で、過大評価型リーダーシップの問題点と大きく変わらない。
欧州財政危機から始まったグローバル景気低迷や中国市場の需要減少などで、貿易依存型経済構造の韓国はより大きな危機の暗礁に向かっている局面だ。こうした危機を切り抜けるリーダーシップの重要な資質の一つは、何よりも大韓民国の強みと競争力を正確かつバランスよく把握する能力だ。しかし最近は各種不正と暴露戦で大韓民国の総体的力量に対する悲観的世論が形成されていて、過小評価型リーダーシップの段階を越えて、自己卑下型に変質するケースを目撃する。米国のある企業家は、グローバル経済に占める大韓民国の地位と力を低評価する一部の韓国人の不均衡的な自己認識に対し、こう述べたことがある。「韓国人はまだ自国を新興国と考えているようだ。すでに先進国入りしているというのに」。