【社説】申淑子氏の2人の娘を連れてこなければ
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2012.05.10 11:32
「統営(トンヨン)の娘」申淑子(シン・スクチャ)氏が死亡したと北朝鮮が国連に通知してきた。2人の娘は父親の呉吉男(オ・ギルナム)氏と会うことを望まないという内容とともにだ。国連の人権関連機関の「任意的(強制)拘禁に関する実務グループ(WGAD)」が送った書簡に対する返事だ。返事をしない場合に申氏と2人の娘の生死確認と送還を請願した側の主張が既定事実化されることを防ぐための措置とみられる。請願は国際非政府機関の「北朝鮮反人道犯罪撤廃国際連帯(ICNK)」により提起された。これで微弱ではあるが申淑子氏母娘と関連した北朝鮮の非人道的措置を正すことができる機会の窓が開かれた。
申氏母娘の悲運はいま彼らの送還努力を行なっている夫の呉吉男氏によって始まったものだ。申氏の反対を押し切り家族を伴って1985年に北朝鮮に行ったためだ。呉氏は北朝鮮の指令を受け海外に出て脱北した。すると北朝鮮は申氏母娘を悪名高い咸鏡南道燿徳(ハムギョンナムド・ヨドク)の政治犯収容所に送ったことが確認された。その後申氏の健康が悪化し、平壌(ピョンヤン)近郊の統制区域に移されたという未確認情報があった。