【コラム】中国農民工の「反乱」
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.06.17 11:23
衝撃だった。テレビ画面を通じて伝えられる中国広東省のデモの話だ。デモは暴力的に発展し、警察はデモ隊を追撃した。西側のデモと大きく違わない姿だ。これまでも様々なデモがあった。5月に内モンゴルで起きたモンゴル族のデモは民族対立が導火線だった。1年前に広東省のホンダ自動車子会社でも暴力事態が起きた。中国で起きている大小のデモは毎年約15万件。工場で、道路で、1日に数百件の騒乱が発生する。色々なデモの中でも今回の広東省のデモが世界のメディアの注目を引く理由は、参加者が農民工(農村出身の都市地域労働者)という点のためだ。
農民工はこの10年、世界経済構造変化の核心だった。その力学関係は2001年11月11日の中国の世界貿易機関(WTO)加盟で始まった。この日2億人余りの労働人口が市場経済体制に新たに編入された。ブラジルの人口と匹敵する規模だ。その主役が中国農民工だった。彼らは「世界工場」を回し、低価格製品は世界市場を奪っていった。ドルが中国に集まり始めたのだ。中国人民銀行に貯まったドルは米国債買い入れに使われ、おかげで米国はインフレのない成長を享受できた。2008年の世界経済危機を産んだ米中経済不均衡のまん中に農民工があったという話だ。そこで「中国農民工が世界経済の地図を変えた」という言葉が出てくる。