【噴水台】ブラックラベル
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2011.05.22 13:15
「黒い色は世紀末的色だ」。ソニー、プラダ、ケンゾーなどのブランドのデザインを引き受けてきた世界的な産業デザイナー、カリム・ラシッドの話だ。彼は世紀末が近づくと持っていた黒い服を全部捨てた。暗くて悲観的という理由だった。代わりにタンスをピンクと白、銀など明るい色の衣装で満たした。伝統的に黒は死と闇、悪を象徴した。英語「black」(黒)は古代英語「blac」(暗い)からきた。否定的ニュアンスの単語に「黒い」という修飾語が入るケースが多い理由だ。1987年に起きたニューヨーク証券市場の暴落を「ブラック・マンデー」、闇市を「ブラックマーケット」という形だ。
西洋の喪服が黒い色になったのも、黒が光の不在、すなわち生命が消えたことを意味したためだ。紀元前323年にアレクサンダー大王が死んだ時に人々が黒い色で哀悼の意を表わしたのが始まりだ。英ロールスロイスの有名なプレート「RR」は本来赤色だった。創立者のロールスが飛行機事故で、ロイスが過労で死去すると後継者は追慕する心からプレートを黒い色に変えた。