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【社説】韓国社会に定着できずに戻る脱北者たち

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2010.09.16 14:46
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韓国籍を取得した脱北者たちの第三国「偽装亡命」が外交問題に秘話しているという話だ。外交通商部資料によると2004年以後、イギリスに亡命を申請した北朝鮮脱出者が1000人で、中でも約70%が韓国籍所持者だという。イギリス政府がこれらに対する送還対策用意を韓国に要求し、外交問題に浮上したというのだ。偽装亡命だと確認された脱北者20人がノルウェーで強制追放された事例もある。行くあてのない境遇になった韓国籍脱北者がイギリスとノルウェーの両国で約600人にのぼるというのが外交部の推算だ。

韓国社会に根付くことができずに第三国に逃避する新たな人たちがそれだけ増えているのだ。国内に入ってくる脱北者は毎年大きく増えている。昨年だけで約3000人が入国した。統一部は韓国籍を取得した脱北者数が今月にも2万人を突破するものと見ている。これらのうち少なくない数が米国、カナダなど北米国家やイギリス、フランス、オランダ、ノルウェー、スウェーデンなどヨーロッパ国家、またオーストラリア、ニュージーランドなど大洋洲国家に発っている。

 
韓国籍を隠したまま現地で亡命を申請するか不法滞在をしながら新しい生活の機会をうかがっているのだ。

脱北者2万人時代の暗い影だとそのままにする問題ではないと思う。定着に必要な住居、就職、教育、医療恩恵など各種支援にもかかわらず、脱北者たちが韓国に背いて去るのは韓国社会で希望を見つけることができなかったからだ。15歳以上の脱北者の就業率は44.9%にとどまっており、それも日雇い労働者など単純労務職が半分に近く、基礎生活受給者が全体の60.2%にのぼるという統計はこれらの大変な現実を物語る。

しかしもっと大きな苦痛は脱北者たちに対する韓国社会の否定的認識だ。多くの脱北者たちが職場や学校で移住労働者より下の「3位市民」という劣等感に苦しんでいる。「同じ同胞よりはかえって外国人に差別を受けたほうがましだ」と第三国行きを決意した脱北者たちも少なくないという。一部では第三国行き脱北者たちを国民の血税で各種恩恵は恩恵を受け、ふらりと去る不届き者だと決めつける。しかし彼らを咎める前に果たして韓国社会が彼らを温かい血肉の情でかばう努力をしたのかから謙虚に反省することが先なのだ。もちろん新たに来た者たちも北朝鮮脱出過程の艱難辛苦に耐えたその意志と覚悟で韓国社会に定着し、同化しようとする努力をしなければならない。

第三国行きが確認された脱北者に対しては支援恩恵が自動で中断されるので帰って来たくても帰って来ることができない脱北者たちも多い。まずこれらから制限的にも制裁を猶予することで自ら帰国を誘導する必要がある。苦労して受け入れた脱北者たちを失うのは国家的にも大きな損失だ。南北両方の経験を持つ脱北者たちは統一時代に南北統合と和合に大きな役割ができる大事な資産だ。これらをうまく抱えて将来統一の担い手として育成するという方向に発想の転換が必要な時点だ。


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