「韓国籍に北朝鮮代表、鄭大世の人生は歴史が生んだ矛盾」(1)
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2010.07.08 16:51
先月16日、南ア共和国ワールドカップG組予選北朝鮮とブラジルの試合。北朝鮮国家が鳴らすと鄭大世(チョン・デセ、26)選手は止めどもなく涙を流していた。「最高のチームを相手にするので感極まった」という本人の説明とは別に人々は“また違う意味”で涙を読んだ。韓国国籍を持っているのに北朝鮮代表で出場した在日韓国人鄭大世。韓国、北朝鮮、日本の間に立つ境界人の涙だ。
最近、その涙の話を盛り込んだ本が翻訳された。在日韓国人3世スポーツ・ライターである慎武宏さん(39)の書いた「祖国、母国、そしてフットボール」だ。3月、日本で出版され朝日新聞などで紹介されながら好評を博したこの本は、Jリーグ選手ながらそれぞれ南北、日本の国家代表として活躍する「在日」選手たちの話を盛り込んだ。鄭大世を含み、北朝鮮代表ながらKリーグで活躍した安英学(アン・ヨンハク、31)、「朝鮮」籍を持って北朝鮮代表として活躍したリャン・ヨンギ(28)、リ・ハンジェ(28)、韓国籍でKリーグ選手として活動したパク・カンジョ(30)、チョン・ヨンデ(31)、帰化して日本国家代表になった李忠誠(25)選手らだ。