【コラム】三等国家・日本
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2010.01.06 14:41
エズラ・ヴォーゲル米ハーバード大名誉教授が「ジャパン・アズ・ナンバーワン」を出したのは1979年だ。 米国が史上最大の貿易赤字(284億ドル)を記録した年で、その半分が対日収支だった。 この本は日本企業・政府リーダーシップ・教育システムの分析を通して産業競争力と成長の謎を解いた。 結論は「米国は日本に学べ」だった。 ヴォーゲルは86年、フォーリン・アフェアーズ誌にまた「東アジア:パクス・ニッポニカ」(Pax-Nipponica)という論文を出した。 日本が新しい産業革命を率いるという内容だ。 日本株式会社のコードを解いた問題作だ。 ヴォーゲルはその後、中国の改革・開放も眺め始めた。 昨年5月には「鄧小平と改革時代」を発表した。 ハーバード大で3日間開いた中国建国60周年セミナーでだ。 「ジャパン・アズ・ナンバーワン」を出してから30年ぶりだ。 当時のセミナーで会った日本高官の言葉を今でもはっきりと覚えている。 「時代が変わった」。ヴォーゲルの研究領域の拡大は学界の中国移動(China Shift)を象徴する。
今年は日本と中国のGDP逆転が確実視される。 2008年の中国のGDPは約4兆5000億ドルで、日本を4000億ドル下回った。 中国の成長率から見ると、09年のGDP統計で2位浮上は間違いない。 新車販売台数も1位になると予想されている。 世界の工場、成長エンジンから市場に変わっている中国だ。 日本は68年に西ドイツのGDPを抜いて以来42年ぶりに3位に落ちる。 まだ景気沈滞の泥沼から抜け出せない状況だ。 「日本漂流」という用語が新聞に登場している。 米中(G2)時代の開幕だ。 今年5月の上海エキスポは絶妙のビッグイベントになるはずだ。 1世紀前、上海市立公園に「中国人と犬は入園禁止」という札が打ち込まれた植民地中国の天地開闢だ。 日中の逆転は新たな10年が激動の時代になることを予告している。 国家の自信や悲観主義は対外政策で発露するものだ。 第1・2次世界大戦当時のドイツを考えてほしい。