【グローバルアイ】在日同胞、「差別」と「自負心」の間
ⓒ 中央日報/中央日報日本語版2009.09.15 16:50
彼に会ったのは7月末の北海道だった。 レンタカー会社の職員の彼は、車を返却した私と家族を旭川空港まで送ってくれた。 車の中で彼は私に「韓国の方ですか」と尋ねた。 そして彼は「私も韓国人です。 韓国語は話せませんが、韓国人3世です」と語った。 「一度も韓国に行ったことがない」という彼の韓国名はド・フィテ(都会泰)。 彼の祖父は家族が朝鮮人と言われて差別を受けないか心配になり、日本人に帰化したという。 家庭でも韓国語の使用を禁止したほどだ。 父も母も韓国人だが、彼は徹底的に日本人として育った。 彼は車の中での短い時間に「韓国はどんな国か。 韓流ドラマを作る韓国文化の底力は何か」などと故国に関する質問を繰り返した。 飛行機に向かう私たちの家族を最後まで見送った彼の姿がいまだに頭の中から離れない。
昨年東京で会った50代のタクシーの運転手、吉池さんもそうだった。 在日韓国人2世の吉池さんの故郷は釜山(プサン)。 亡くなった親の代わりに親せきに会うため時々釜山へ行くが、 いつも寂しい思いをして帰ってくるという。 自分の立場を「ただそこに座っているだけ」と感じているようだった。 ほとんどの在日同胞がそうであるように、吉池さんの親も生活に追われて、子どもに韓国語を教えられなかった。 吉池さんは「幼い頃は自分のルーツや祖国というものに全く関心がなかった」と話した。 しかし今は「親がなぜ自分に韓国語を教えてくれなかったのかと恨むことが多い」と語った。