中国が自国の珍しい鉱物を「資源武器」として活用している。全世界生産量の90%以上を占める希土類(rare earth)鉱物だ。希土類はスカンジウム、イットリウムとランタナム系15鉱物を合わせた17鉱物を総称する。これらは風力発電、ハイブリッド自動車など最近脚光を浴びているグリーンエネルギー技術に必須な資源だ。中国はすでに数年前からこれら鉱物の生産・輸出を強く統制して来た。このため6月、米国、ヨーロッパ連合(EU)から世界貿易機構(WTO)に提訴した。しかし中国はものともしない。米ニューヨークタイムス(NYT)は1日、中国政府が3日、北京で開かれる「珍しい鉱物及び希土類カンファレンス」で今後の希土類鉱物輸出をもっと統制する計画を発表すると報道した。
◆グリーン技術に必須=希土類は最近、採掘量が増え、価格が安くなってはいるが依然として「世界でいちばん稀で高い鉱物種類」に挙げられる。キロ当たりテルビウムは300ドル、ジスプロシウムは110ドルで売れる。その上、最近グリーンエネルギー技術が脚光を浴び、希土類の価格はますます聳えている。希土類鉱物を利用して作った「希土類磁石」の場合、一般磁石に比べて保磁力(磁性体の磁力を0にする逆磁気場の強さ)が10倍にもなる。このため風力発電機、ハイブリッドカーなどに搭載される電気モーターに必須部品として使われる。世界で最も多く売れたハイブリッドカーであるトヨタプリウスの場合、1台で0.9~1.8キロのネオジムが入っている。