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【社説】歴史の中へと旅立った金大中元大統領

2009.08.19 10:32
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金大中(キム・デジュン)元大統領の病室の最後の風景はまったく劇的だった。民主化の同志でありながら20年余り反目していた金泳三(キム・ヨンサム)元大統領が和解を宣言した。上道洞(サンドドン、金泳三系)と東橋洞(トンギョドン、金大中系)の関係者らもまた手を取り合おうと約束した。1980年に金元大統領を死刑に追いやった新軍部勢力のリーダー全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領も病室を訪れた。全元大統領は金元大統領の「大統領経験者の和合努力」を称賛した。死去の少し前に金元大統領を独裁者だと糾弾した李明博(イ・ミョンバク)大統領も見舞いに行った。金元大統領の歴史的闘争対象だった朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領の長女の朴槿恵(パク・クンヘ)元ハンナラ党代表も病室に立ち寄った。「金元大統領見舞い政局」は韓国社会が金元大統領死去を和合と統合に向かう歴史発展の肥やしとしていかなくてはならないというメッセージを伝えてくれた。

3カ月前に韓国社会は盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の投身という衝撃的な事件を経験した。全国的に数百万人が哀悼の波に賛同した。当時われわれは方法論の功過を離れ盧前大統領が追求していた「人が生きる社会」の真正さを刻みながら国民和合に進まなくてはならないと強調していた。しかし民主党と一部市民団体勢力は盧前大統領の死去を政治的・社会的に利用しようという姿を見せ失望感を与えた。特に民主党は国民が与えた本来の場所である国会を離れ街に出る政治的未熟さを見せた。しかしほとんどの国民は哀悼と扇動を冷静に区分した。韓国社会の市民意識がそれだけ成熟したことを示すものだ。

 
金元大統領の重態を期に現職・前職大統領をはじめ「反目政治勢力」が和合の姿勢を見せたことは幸いだ。しかし一時的な現象にとどまらせては絶対にならない。本当に大切に培っていかなければならない。まだ韓国社会が依然として階級・地域・理念・政派的な対立にとらわれているためだ。金元大統領は階級的には庶民、地域的には湖南、理念的には進歩、政派的には民主党を率いてきた。民主党をはじめとする金元大統領の支持者らは、金元大統領が追求していたこうした貴重な価値を発展的に昇華させ、反対者らと成熟した共存を作り出していくことが必要だ。共存しながら健全に競争することが、金元大統領があれほど願っていた民主主義の核心であるためだ。


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