2009世界水泳選手権大会で朴泰桓(パク・テファン)選手の不振は「衝撃」よりは「予見された失敗」に近い。韓国水泳界に国宝級スター選手をまともに管理できるシステムが全然揃っていなかったからだ。安定した環境で体系的訓練を受けても足りないときに、卓球のボールのように専門チームと代表チームを行ったり来たりして神経を使わせ、良い成績を期待するということそのものが不合理な話だ。朴選手が「頭がごちゃごちゃ」と訓練過程の苦痛を吐露するほどだ。
昨年、北京五輪以後、朴選手は担当チームと米国の転地訓練をする一方、国内へ来ては泰陵(テルン)の選手村でノ・ミンサン代表チーム監督の指揮を受ける生活をしてきた。ところで担当チームは長距離、代表チームは短距離訓練に力を注ぐ状況で、情報交換もなめらかではなかったとは、開いた口が塞がらない。それに担当チームには朴選手を全面的に引き受けて率いるコーチさえいなかった。外国で名望あるコーチを連れて来ようとすると費用負担が大きく、国内リーダーたちは親大韓水泳連盟派と反水泳連盟派に分けられ、どちらか一方を選べない内幕があったという。このような状況で完全な訓練も、戦略もなく大ざっぱな作戦で大会に臨むほかなかったはずだ。外国選手たちが先を争って最先端の全身水着を着るのに、半身水着を着る決断を出したのも、大会直前まで写真撮影に臨んでいたのも、すべて戦略不在によるものが大きい。