歌手の趙英男(チョ・ヨンナム)さんから娘のウンジさんを養子縁組したときの話を聞いたことがある。「夕方遅く、妻が赤んぼうを見てきたという乳児院に行った。院長が私にも気に入った子がいないか、一度見てみろと言う」廊下に沿って歩くのだが、後ろで保育士たちがひそひそと話していた。「ウンジならいいのに」「何カ月かすれば孤児院に行かなければならないじゃない」最初の部屋のドアを開けた。入ろうとした瞬間「そうじゃない!」という思いが頭を走った。「子どもは履物か、きれいならば選んでいき、憎ければそっぽを向けと?」院長室に帰って尋ねた。「ウンジという子供はどこにいるんですか」5歳、孤児院に行くところだった子どもはこうして彼のもとに行くことになり「チョ・ウンジ」となった。もう15年前のことだ。